影は常に心の側に
とある屋上で、落下防止の為に備えつけられた柵をしきりに蹴り、「クソッ、クソッ」と何度も怒声を挙げる男が一人いた。
その手には双眼鏡を持ち、さっきまで人気の無い路地裏を眺めていたのだ。
「何だよアイツらは! 帰りが遅いから捜してみたら何でこんな事になってんだよ!?」
更に力を込め蹴り挙げると、古い柵は少しへこんでしまった。が、この男はそんな事に気付く事なくボヤキ続ける。
「俺のよぉ、せっかくの楽しみを邪魔しやがって。後から来た奴はよく見えなかったけどよぉ、最初に追い詰めたアイツの顔はよーく見たぜ。制服の校章もよぉ!」
怒りのあまり焦点が合わない目を押さえながら、ゆっくりと、フラつきながらこの場を後にしようとする。
「絶対に許さねぇぞあの男。俺の『ブラックナイト』で、しっかりと絞めてやんねぇとなぁ!」
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