第13話 決勝戦

 生き残ったのは、太一達のレッドチームと、アイリス達のホワイトチーム。壇上を太一達御一行が独占した。


 ーーそれでは、決勝戦のルールを説明しよう! まずは、壇上にご注目ください。ーー


 壇上に注目が集まる。4人の狼娘が再登場。実演を交えた説明がはじまる。


「決勝戦の最大の魅力は、8人全員でのバトルロイヤルだウォーン」

「転んだり、落ちたりしたら即敗北だウォーン」

「猫パンチや、猫キックは禁止だウォーン」

「それ以外は、何をしても良いという、特別ルールだウォーン」


 さらに、勝負を長引かせないために、壇の大きさは1分毎に小さくなる。はじめは8人で立っていても余裕があるが、5分後には2人で立つのも窮屈なほど狭くなる。最早尻相撲ではない。遠吠えする狼も黙る、ドッグファイトだ!


 ーーさぁ。奈落の底に、叩き落とすのダァー! ーー


 男女比1対7の現実。太一の割と太目の脚が2本、巫女達の細い脚が14本、作りものの脚が2本。壇上にある。いよいよ、というタイミング!


「いい加減にしろ!」


 TV局の取材班の中にいたお笑い3人組の1人が、右脚をとんとつく。すると、闘技場がぐわんぐわんと揺れたようになった。


「何だ!」

「地震か?」

「地面が揺れている……。」

「……いや、壁が揺れている!」


 闘技場が用意した演出に過ぎないが、本当に地面が揺れたような錯覚に誰もが陥る。


「キャー!」

「助けてぇー!」

「ヤバイよヤバイよ!」


 その場は大パニックとなった。競技は中断となる。太一達は、狼娘達に招かれ控室に行く。真っ白な控室だ。

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