初めましての赤銅

 秀介が人知れずため息したのは。

「ここ、おいしそうじゃない?」

 思ったとおりの店を選ばれたからだ。


 町の東を走る飲食街。その中でも一番小洒落た、カフェ風の大型店舗。長い軒先にも丸テーブルが並べられ、煉瓦の町並みを眺めながら食事を楽しむことができる。


 ずらりと並んだ嗜好飲料のメニューがいかにも女の子受けしそうだ。

 提供される料理も、油分少なめの軽食系ばかりだった。


 他のテーブルに並んだ料理と女性中心の客層に眉をひそめた秀介は……やれやれ、満腹は期待できそうにないな……と、通りを挟んで斜向かいに店をかまえる居酒屋をうらやましく思う。


 狭い出入り口から見えたのは――超大盛りの揚げ物と冗談みたいな巨大だんご、真っ昼間からジョッキを片手に大騒ぎする男ども。


 おごってもらう立場上、あっちの店の方がいいとは言えず、真琴に続く形でオープンテラスの空きテーブルに座った。


「なにが食べたい?」

「おう、そうだな。なんでもいいが……というか、なにがうまいんだ?」

「えーと、あたしはキノコ系が好きかな? この辺りの名物らしいし」

「パスだ。せっかくのおごりで菌類なんぞ食えるか。肉か魚だ」

「あはっ♪ さすがは原始人ね。まあ、いいわ。好きなの頼んでよ。あたしは違うのにするから」


 現在、真琴は鎧姿ではない。蒼天の嵐打ちアクトマライトのすべてを着用していない。

 あんな全身鎧、日常生活を送る上では邪魔すぎるのだ。だから今は、左手用の手甲のみ装着している。残りは宿に置いてきた。


 動きやすいパンツルックに青色の手甲という組み合わせ。


 少々滑稽だが、真琴が言うには、『手甲これぐらいは着けてないといけないの。蒼天の嵐打ちアクトマライトがさみしがるから』ということらしい。


 それで秀介は、少しずつアイギスと装着者というものについて理解し始めていた。


 つまるところ、幼子と母親のそれに酷似しているのだろう。

 鎧は人智を超えた可能性を有しているが、装着者の肉体と精神に依存している。常に触れ合っていないといけないのだ。


「決めた? ああ、そっか。浅井くんってば、異世界こっちの文字読めなかったわね。メニューちょうだい。選んであげるわ。てか、店員さん遅いね。お冷やぐらい出してくれてもいいのに」


 メニューを吟味する真琴のうつむき顔を眺めて口端を持ち上げた秀介。

 ……意志持つ鎧か……よくもまあ、そんな不気味なものに愛情を注げるものだ。

 そう思っての嘲笑であった。


「――おう?」

 と、今さらになって気付く。


「おい」

「なによ? ねえ浅井くん、パネッタってなんだと思う? パスタみたいなものかなぁ」

「おい、空野よ」

「なによ? あたしは装着者だから文字が読めるの。蒼天の嵐打ちアクトマライトと繋がってるからね、あの子が知ってることはあたしにもわかるのよ。そゆこと」

「いいかげん気付けよ空野。多分、お前に用があるんだと思うぞ?」

「――ぅえ?」


 いつの間にか、オープンテラスを取り囲むように人垣が生まれていた。


 老若男女。おそらく店の者から客、通行人まで、身分問わず。この飲食街にいた人間すべてが集まっているようであった。


 突然現れた人の群れ――それは、蒼天の嵐打ちアクトマライトと空野真琴への参拝者たちである。


「ちょっ、ちょっとぉ。こんないきなり――?」


 口火を切ったのは、幼子を抱いた妙齢の女だ。 

「祈らせてください。蒼天の嵐打ちアクトマライトの美しき姿に。風待ちの旗手の気高き勇気に」


 座ったままの真琴の前でひざまずくと、革のサンダルを履いた彼女の足に軽く触れた。

 そして立ち上がった女は、深々と一礼。

「アイギスに選ばれしその御心が、偉大なるゴルドヴォーデンにも伝え届きますことを」

 きびすを返して人垣の中に消える。


 初老の小男が女の祈りに続こうとしたところで――真琴が椅子を蹴飛ばしながら立ち上がり、バチバチと光走る左手を掲げた。


「今ので終わりです!! プライベートなのわかるでしょう!?」


 破壊の光に人垣がざわめく。


「死を恐れぬ愚か者の祈りなら受けましょう! 愚かなる町として、この町を消し炭に変えましょう! 好きなだけ踏み歩いてあげますよ!? 嵐打つ光がこの地をならした後ならば!!」


 真琴渾身の威嚇行為が招いたのは、沈黙だった。

 誰もが口つぐんだ後で、パラパラと崩れ始めた人の群れ。

 少しずつ、少しずつ――なにごともなかったかのように、町は、普段の顔を取り戻していく。


「……ふぅ。油断も隙もないわね……」


 椅子を直してテーブルについた真琴に秀介が言った。

「よかったのか? あんな物騒なこと言ってよ。お前さん、こっちの世界じゃあ神様――現人神あらひとがみなんだろう?」

「いいのよ。別に聖人みたく生きる必要もその気もないわ。神様だもの。聖愛に生きようと、悪徳に生きようともね」

「ふむ、一理ある」

「二四時間いつでもお祈り受付中です! みたいなー、あたしにそんなサービス精神あると思う? あのお祈りだって社交辞令みたいなものだし、相手してられないわよ」

「なるほど。荒神こうじんなんだな」

「現役の女子高生だからね。まあ……本気で困ってる人は助けるかもだけどさ」


 と、そこで、真琴がキョロキョロと視線を巡らせた。

 彼女が探したのは、すっかりお客のいなくなったオープンテラス――その片隅で立ち尽くしていた店員である。緑色のエプロンが実にお洒落だ。


「あの。注文、いいですか?」

「あっ! はっ、はい!! 少々お待ちください!」


 しかし、注文をとる彼女のなんとぎこちないこと。

 ブルブル震える手で、注文表を二回も取り落としてしまった。「そ、それではオーダーを確認しまし――かっ確認します」と言葉も噛みまくりだ。

 やはり、先ほどの空野真琴が強烈すぎたのだろう。


 店員が店の奥に引っ込んだ後で、秀介はクククッと笑った。

「脅しすぎたな。かわいそうに」


 真琴は綺麗な鼻頭をポリポリと。

 気まずさを紛らわすために、秀介とのおしゃべりに興じることにする。


「でもあなたは少しもビビってないわね。一番近くにいたのに」

「そりゃあ、矛を向けられたのは俺じゃないからな。当てる気のない攻撃をおそれる必要があるかよ。巻き添えは御免だがな」

「さすがは空手のチャンピオンね。心臓に毛が生えてるわ」

「いや、俺が空手やってるかどうかは関係ないさ。どっちかっていうと、お前と同級生ってことの方が大きいぜ?」

「どういう意味?」

「学友にケガはさせないだろうってことだよ。そうだろう? 百人斬りの空野さんよ」

「そ、そりゃあ。あなたにそんなことしないけどさ……でも、百人斬りって? なんのこと?」

「お前に夢砕かれた男どもさ。今までそれぐらいの数フッてきたって聞いたけどよ」

「あー……まあ、それぐらいはね」

「お前さん、この俺ですら知ってたぐらい目立ってたものな」

「バカ。そんなのお互い様じゃない。チームクラッシャー、マッドウルフ、凜高りんこう絶対戦力、リアル空手バカ一代、喧嘩鬼けんかおに……拳使いストライカー。あたしよりあだ名が多いくせに、よく言うわ」

「……どれもこれも、面と向かって言われたことはないな」

「多分もっとあると思うわよ。あたしもそんなに詳しい方じゃないし……ああ、そういえばさ。あれってホントなの?」

「あれ?」

「二〇〇人の族をたった一人で潰したって噂」

「二〇〇人……?」

月華げっかかいってイカれた奴ら」

「おおお。そういやあったな。そんなことも」

「へえ。てっきりホラ話だと思ってたわ。でも、どうやって? 相手は、喧嘩慣れした不良ワルが二〇〇人でしょう?」

「なに。むずかしいことじゃない。狭い路地に引き込んで、一人、二人ずつブッ叩いていっただけさ。それに、全員とやったわけじゃないぞ。半分すぎた辺りで逃げられたからな」

「それでもすごいわよ。よく体力もったわね」

「そうでもないさ。一人二撃、多くて三撃。絶対三〇〇発も殴ってないぞ? 全力出してたわけじゃないし、バテる要素がないだろうに」

「普通はバテるのよ。普通の人はね」

「あの事件は後始末が大変だったんだ。警察の事情聴取はあるし、停学二日もくらうしよ。まあ、俺はからまれた側だったから、お咎めはそれぐらいだったけど――」


 そこで。

「お、お待たせしました~」

 二人の頼んだ料理と飲み物が到着する。


 秀介の前には、この店一番のこってり系。フォアグラのような脂肪の塊に柑橘系のソースを合わせた一品だ。パチパチと跳ねる油が食欲そそる。


 一方、真琴の料理は、ほとんどサラダのようなものだった。薄いピザ生地の上に、キノコのドレッシングとあえた生野菜が載っている。どう多めに見積もっても、四〇〇キロカロリーもないだろう。


「すごいな。それで一食足りるのか?」

 紅茶に似た嗜好飲料をすすりながら、秀介が言った。


 真琴が飲んでいるのは、かすかに青みがかったコーヒーである。ほのかな苦みの中にフルーツの香りが混ざる。


「そりゃ、あたしはあなたみたくお荷物を背負ってないからね」

「お荷物?」

「その筋肉よ。そのバカげた筋肉。基礎代謝だっけ? 多分、あたしが一日動き回るよりも、あなたが一日じっとしていた方が消費カロリーは多いんでしょうね」


 秀介はもう真琴に言葉を返さず。

「なるほど。うまいな」

 料理を口に押し込み始めた。

 二叉になったフォークを突き刺して、「なあ空野。おかわりしてもいいよな?」ガツガツと食べる。


 まるで大好物にはしゃぐ子供のような食べっぷり。

 真琴はいまだ料理には手を付けず、母親のような落ち着いた表情で秀介を眺めていた。


「ねえ浅井くん」

「ん?」

「あなた、けっこうかわいい食べ方するよね? なんて言うか、食べ盛りの子熊みたいな」

「よく笑われるんだよ。早食いなんてみっともないし、直そうとは思ってるんだが――んぐっ――食い物を前にしたら自制がきかなくてな」

「あら。別にいいと思うわよ? あたし、一生懸命ご飯を食べる人って好きだし。そんな汚い食べ方だとも思わないしさ。また今度、なにかつくってあげるわ」

「そうだな。無事に地球に帰れたら手料理を馳走ちそうしてくれ。学校中に自慢できる」


 そしてようやく真琴も料理に手を付けた。二叉フォークとやたらに尖ったナイフ、そんな異世界の食器を使って、器用に料理を口に運ぶ。


「……そういうお前さんは、ずいぶんきれいに食うよな」

「そう見える? だったら、ママの躾けのおかげね。テーブルマナーは、嫌ってほど仕込まれたから」

「厳しいのか? お前の母親は」

「ママ? そりゃあね、名家のお嬢様だもの。うちじゃあ、こういう食事中のおしゃべりも禁止なのよ? しつけに鞭を持ち出したりするんだから」

「ほお。それは壮絶だな」


 すでに秀介は皿の上を半分ほど平らげている。

 真琴はまだ、三口目だ。


「ふむ。ところでよ――」 

 口の端についた食べカスを左手でぬぐい取ってから、秀介は紅茶をゴクリと飲み干した。瞬間――真琴の左手を一瞥した武術家の目がギラリと光る。


「ところで、話は変わるんだが……」


 わずかに落ち込んだ声色から秀介の意図を読み取ったのだろう。

「わかってるわよ。あたしの二ヶ月でしょう? あなたの前からいなくなってからの」

「おう。聞かせてくれ」


 それで、真琴はフォークとスプーンを置いて前のめり。

 テーブルに肘をついてから、先ほどより気持ちゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。


「そもそもは――大空にさわりたがった蒼天の嵐打ちアクトマライトが始まりだったのよ。あなたが寝ちゃったあの夕方、あたしは、生まれて初めて生身で空を飛んだわ」


 秀介は食べるのをやめない。

 咀嚼し続けながら耳を傾けている。


「飛び方なんてなにも知らなくてさ、なにもできなくてさ、エオスが来てくれてなかったらきっと死んじゃってたでしょうね。本当に……夕暮れの真っ只中にいるぐらい高かったのよ」

「エオスってのは?」

紡ぎ神の松明クアトリエというアイギスの装着者よ。あたしと同い年らしいけど、くわしくは知らないわ。今後会うこともあるでしょうから、彼女の素性はその時にでも聞いたら? ともかく。彼女はこの世界で生まれて、幼い頃から装着者として生きてきていた」

「なるほどな。使える奴ってことか」

「頼れる先輩って言ってよ。あたしは彼女から、この世界のこととか、アイギスとのふれ合い方とかを一からレクチャーしてもらったの。あなたが一晩かけてこの世界の重力に身体を慣らしたように、あたしは一週間かけて装着者になった」

「……俺なんかと一緒にされても困るがよ……」

「それですぐにあなたのところへ帰ろうとしたんだけどね、道中、蒼天の嵐打ちアクトマライトが全然言うことを聞いてくれなくってさ」

「明後日の方へ飛んだのか?」

「そ。あっちへフラフラ。こっちへフラフラ。生まれたばかりのあの子にとって、世界は初めてのものばかり。子供だもの。寄り道ぐらい当たり前よね?」

「お前も変わり者だな。思い通りにならない武具がおそろしくないのか?」

「あら? でもおかげでこの世界を色々知れたし、ちょっとは度胸もついたわよ。少なくとも、このぶっ飛んだ世界であなたを導いてあげられるくらいには」

「ならばお前はその旅で、どんな奴らと戦った?」

「幾多のドラゴン、一〇〇の武器を手にした巨人、山ほどもある獣、町を食い尽くした羽虫の群。それと……その他もろもろ、かな。雑魚は忘れたわ」

「確かに。どれもただの女子高生にゃあ荷重だな」

蒼天の嵐打ちアクトマライト着てても、戦うのはあたしだからね。そりゃあこわかったわよ。あいつらの前に立つ度に命をベッドしてきたんだもの」

「……俺が殺ったのはあの子鬼ゴブリンとクマ七匹だけだ」

「だったら経験値はあたしの方が上かしらね」

「否定はせんよ。どんな鎧を着てようが、俺はドラゴンとは戦えない」

「ま。この二ヶ月であたしの名前もずいぶん広まったわ。翼を持ったアイギスなんてやっぱり珍しいし。そもそもあたし自身が目立つじゃない? 美少女戦士ってさ♪」

美少女それが関係するのかは知らんが……どこに行ってもこの町と似たような反応を?」

「ええ。今ごろ、遠くの町や村にもあたしの名前が知れ渡ってるでしょうよ」

「はははっ。たいしたヒロインじゃないか」

「そうね。あながち間違っていないと思うわ。この世界じゃあ、人間はすごく弱い存在だから。新しいアイギスが生まれるってこと、それだけで大ニュースなの」

「怪物どもよりも強い戦神だものな。しかも人間の味方」

「必ずしもそうとは言えないけど……まあ、おおむねそうかもね」

「ふむ――」


 そこで皿の上のものをすべて腹に入れた秀介。腕を組み、背もたれに体重を預けると、まじまじと真琴の姿を眺め見る。

 やがて、苦笑混じりに言った。


「しかし……あのお前が怪物殺しとして名をはせているとはな。俺が子鬼ゴブリンを倒した時、あんなにも取り乱していたお前が」

「人間追い詰められればなんだってするのよ。初めてドラゴンを殺したときもそう。雲の中でいきなり襲われてさ……ほんと、夢中で槍を投げざるを得なかったの」

「なるほど。半ばむりやりな初体験だったわけだ」

「案外簡単だったけどね。相手は正真正銘の怪物で、あたしの武器は飛び道具。浅井くんみたいに、素手でヒト型の生物を殴り殺したわけじゃないもの」


 と――その時ふと、秀介が真琴の皿に視線を飛ばした。

 するとそれに気付いた真琴が「食べてもいいわよ」と言ってくれる。


「すまん。助かる」

 真琴の前にあった皿を引き寄せた秀介は、口いっぱいに料理を入れた。


 真琴はまるで自らの食事を子供に差し出した母親がごとく。その表情は女子高生とは思えぬほどにやわらかい。


「しかし……さっきから人の視線が気になるな。やっぱりお前、目立ちすぎなんじゃないか?」

「あら? まさか気付いてないの? 今、見られてるのは、あなたよ。浅井くん」

「おう?」


 そこで秀介が首を回すと、真琴の言葉通り、通行人のほとんどと目があった。

 彼らはすぐさま気まずそうにうつむき、そそくさと歩き去っていく。


「これはー……お前さんと一緒にいるからか?」

「そうじゃないわ。単純に大きな人間が珍しいのよ」

「はあ? 大きいって言ったってよ……」

「この世界は男女ともに一六〇センチぐらいが平均身長アベレージ。一六七センチのあたしでさえ、長身の部類に入るわ。だったらわかるでしょう? あなたがお相撲さんレベルだってことぐらい」

「ははっ。力士か。空手家相手になんて言い草――だ――」


 その時、秀介が人々の行き交う通りの中に謎の人影を発見した。


 ――黒ずくめの外套男。


 大空高くには太陽があり、燦々さんさんと熱エネルギーを送り込んでいる。

 上昇中の気温のことをかんがみると、どう考えても風変わりな出で立ちであった。


 秀介の警戒心に反応するがごとく、「浅井くん――?」真琴もその外套男を目に入れる。


「え……まさか……あれは――」

 そして秀介よりも感じ入るものがあったらしい彼女。

「いい? 浅井くん。動いちゃダメだからね」

 そう秀介に念押ししてから、すっくと立ち上がった。手甲に包まれた左手をポキポキ鳴らす。


 秀介は食事を再開しながら。

「急にきな臭くなってきたな」

 そう呟いた。

 彼の視線は今や外套男ではなく、外套男とは反対方向から歩いてきた女剣士に向いている。


 そう、女剣士だ。


 口元を隠すように深く巻いた赤マフラー、動きやすいタンクトップとくろばかま

 腰にさげているのは二本の大刀。

 しっかりとした足取りに、金色のセミロングが揺れていた。


「やれやれ……事情は知らんが、あっちはあっちで刀を抜く気かよ」


 おそらくは相当の美貌を誇る少女なのだろうが、今はまるで般若はんにゃのごとき狂気面。

 目を見開き、眉間にしわを寄せ、眉尻を顔が歪むほど持ち上げる。

 こめかみには青筋まで走っていた。


「いい殺気だ」

 一瞬冷たくなった空気に、秀介がうなった。


 秀介の視界――通りを行き交う人々とまんじゅうのような食品を売っている菓子屋を背景に、謎の外套男と女剣士がすれ違おうとする。


 次の瞬間、光が走った。


 ――居合い――


 秀介の動体視力が、女剣士の体捌き・呼吸・意識――それらすべてを余すことなく捉えきる。

 大きく踏み込まれた第一歩。

 着地と同時に、彼女は腰の刀を半分ほど抜いていた。

 全力の前進運動を、股関節の働きによって、横向きの回転運動へと変える。


 そして。

「いッッやああああああああああああああああああああああああ!!」

 怪鳥のごとき一声。

 と同時に、女剣士の全身全霊をかけた一撃が、外套男の胴体を薙ぎに走っていた。


 辻斬りである。


 磨き抜かれた白刃が黒布を切り裂き――嫌な高音――金属の断末魔が鳴り響いた。


「な――っ!?」

 予想外の事態に声をあげたのは女剣士だ。

 たったの一撃で砕け散ってしまった愛刀、もはや柄しか残っていないそれを投げ捨てながら、大きく飛び退いた。


「巨人の斧を打ち直した一振りでも駄目だというのか!?」


 十分な距離を取ると。

「……ふざけるなよ…………私が一体どれほどの思いで……」

 ほとんど何事もなかったかのように立ち止まっている外套男を睨み付ける。


 その時、外套男が「んだよ? 誰だか知んないけど、いきなりなにしてくれてんの?」と、身なりに似合わない若い声をあげ、ゆっくりフードを持ち上げた。


 現れた顔は金髪碧眼の男である。


 品のある顔立ちで、誰だって美男子と認識するだろう。背丈は空野真琴と同じぐらいだが、余裕たっぷりな態度の分、実際よりもかなり大柄に見えた。


「あーあ。コート斬られちゃってるんじゃんか。これ、セミベルの毛を使ってっから、メチャクチャ上等なんだぞ?」


 そしておもむろに外套を脱ぎ始めた金髪男。

「決めた。お前さ、死んでボクに詫びろ?」

 厚手の毛皮に隠されていたものが太陽の光にキラリと光った。


 すると、通りを歩く人々の間で喧噪が巻き起こり、すぐさま感情が爆発する。


「アイギス!? あの赤銅色――!!」

林檎樹の守り手リカンオリアか――!?」

「リカ――!? 毒鱗の悪食王スカラコーナットを殺したっていう――?」


 金髪男の纏っていた神鎧――それは、あまりにも無骨なプレートアーマーだった。


 首元から足先まで……全身を隙間なく覆った赤銅色。

 随分と非対称な上半身が特徴的であった。左腕部が丸ごと大型盾になっており、右腕よりもかなりボリュームがあるのだ。


 腰にさげられているのは、武器と思われる戦鎚ウォーハンマー

 これまた赤銅色に輝いており、一五キロは下らないだろう。

 柄が一メートル以上もあり、そのまま振り回すだけでも十分強力そうだが……そこは神なる鎧。どうせ真琴の蒼天の嵐打ちアクトマライトと同じように、おそるべき破壊力を有しているに違いない。


 正体を現した神具装着者を眺めていた秀介が、一つ呟いた。

「……存外つまらんもんだな。遊びのない武具というのは」


 アイギスの形状だけで判断するならば――右半身が攻撃・左半身が防御――そのように完全に役割を分けているのだろう。

 一見合理的だが、五体のすべてを攻防に駆使する空手家から見れば、それは不自由な形でしかなかった。

「兎にも角にもカウンター狙いとは……戦の神だってのに女々しすぎる」

 林檎樹の守り手リカンオリアの能力を知らずとも、戦い方が簡単に想像できたのだ。


 真琴から奪った料理、その最後の一口をシャクシャクと噛み締めながら。

「しかし……いろんな現人神かみさまがいるらしいな」

 感心したようにうなる。


 見れば――バタバタと大移動を始めた人の群れは、我先にと金髪男から遠ざかろうとしていた。


 この町で生きるすべての人間が、一刻も早くこの場から離れようとしていたのである。

 てっきり真琴の時のような参拝行列ができるのかと思ったのだが、まったく違っていた。


 叫声。

 悲鳴。

 嘆声。


 突如として始まった魔王降臨の大騒ぎの中、秀介が真琴の後ろ姿に話しかけた。

「なあ――あの金髪、相当に危ない奴なのか?」


 真琴の声はかすかに震えている。

「詳しくは知らないわ。でも、林檎樹の守り手リカンオリアってアイギスの噂なら幾つか知ってる……どこそこの町を潰しただの、笑いながら森を焼き払っただの――そういう物騒な話ばかりだけどね」

「なるほどな。で、お前さんはなにを?」

「タイミングを見てるのよ。少し黙ってて」

「……タイミング、ねぇ。なにする気かはだいたい理解したが……気を付けろよ」

「ご忠告、感謝するわ」


 そして赤銅色のアイギスと真正面から対峙することになった女剣士は、残った刀を抜いた。

 鞘を投げ捨て、抜き身のまま上段で構える。


 金髪男が嘲笑混じりに言った。

「なんの冗談? んなもので林檎樹の守り手リカンオリアを斬ろうっての?」


 しかし女剣士の目付きと口調は、いたって真剣そのものであった。

 いまだに、全身全霊の殺気を金髪男を向けている。

「冗談と言うなら動いてくれるな。ドラゴンの牙を削り、磨いたこの剣ならば――」

「ならばこのボクに一矢むくえると? なるほどね♪」


「………………」


「………………」


「………………」


「……なるほどね。むかつくぐらい浅はかだなあ!」

 不意に、金髪男が軽く腕を広げた。

 まるで女剣士の一太刀を迎え入れるような姿勢だ。断じて構えなどではない。


「おっけーおっけー。じゃあいいよ? お望み通りにしてやろうじゃん。辻斬り受ける覚えは山ほどあるし。大サービスだ」

「……よく言ってくれた……」


 満面の笑顔ににじり寄った女剣士。まるで呟くような声色で、金髪男に問いかける。


「覚えているか? ニールメルという地を、覚えているか」

「んん? なにそれ? 全然覚えてないけど?」

「美しい大地だった。青い草原、流れゆく雲、空に響く角笛の音色。マユーと流れ暮らした私の家族たち……すべてお前が奪い去ったものだ。覚えているか?」

「知らないって言ってんじゃん」

「……私は忘れない……私の父が貴様を招き入れたばかりに、あの地は焦土と化した。父と母は影すら残ることなく、幼い弟は熱さに悶えながら逝った。そして、ただ一人生き残った私は、この身に屈辱を刻み込まれた」

「だからさぁ……」

「忘れない。私はこの四年間、お前に復讐するためだけに生きてきたんだ。技を磨き、アイギスを殺せるという武器を求め……貴様の創り出した荒野を追いかけてここまできたんだ」

「はぁあ~~~。これだから話を聞かない女は嫌いだよ。もういいや。で? 結局、ボクにどうしろと?」

「それは――今すぐ死んでくれればいいっ!!」


 いきなり女剣士が飛んだ。

 天高く掲げた刃を、無抵抗の金髪男の脳天めがけて。

「シぃいいいいいいいいいいい――っ」

 力いっぱい引き落とす。


 磨き抜かれた白刃が金髪男を切り裂くと思われたその刹那――再び耳障りな高音。

 寸でで、刃を食い止めたものがあった。

 人の目にも見えた〝光の壁〟か〝結界〟のようななにか


 いまだに観戦モードの秀介が短く問うた。

「空野。あれは?」

物理障壁バリア!」


 突然走り出した真琴に呼応するように、「なるほど、バリアね。あれがさっきの刀を折ったのか。なんかやばそうだ」秀介も立ち上がる。

 抜群の直感がこれから起こる危険を察知したのだろう。テーブルを蹴り上げると、縦に倒した天板の影に身を隠した。


「――ぐうっ!!」

 またも止められてしまった女剣士の一撃。

 どれだけ力を込めても、刃が光の壁を抜けることはない。完全に受け止められている。


 …………チャラ


 腰にさげた巨大戦鎚に手を伸ばしながら、金髪男が言った。

「竜の牙を使ったってところは評価してやるよ。よくもそんな珍品を探したもんだ。でもさぁ、しょせんは人が打ち直した人のための武器。武器の神たるアイギスに通じるとでも?」


 重そうな鉄塊を軽々と持ち上げ。

「すべての武器はアイギスの支配下にあるんだよ。林檎樹の守り手リカンオリアを殺せるのはアイギスだけだ」

 女剣士の頭上にその影を落とした。


「ばーか。お前が死ね」


 そして神の一撃が振り下ろされる。


 ――――――――


 寸前、戦神の怒りに割り込んだのは、同じく戦神の意志。

 空野真琴だ。

 左手に手甲をはめた美少女が女剣士の盾となった。


 まるで怪物の悲鳴のような激突音と共に、戦鎚と手甲がぶつかる。

 衝撃の瞬間、戦鎚からは炎が巻き上がり、手甲からは青い電光が飛び放たれた。

 そして轟音をともなった風の爆発が一つ。

 炎と雷――鮮やかな赤と青がまっすぐに天に昇っていく。


 ――――――――――――――


 神々がぶつかり合った余波は、やがて、空色の中に消えた。


「はあ?」

 金髪男はかすかに驚いたような表情で、突如として現れた美少女装着者をまじまじと見下ろしている。


 戦鎚を押し返そうと背筋に力を込めた真琴が言った。

「アイギスを殺せるのはアイギスだけ…………同感です、先輩」

「……お前は?」

「しかし、そんな力を持つ我々だからこそ、民草を許す寛大さも必要となるはず。お言葉ですが、今の一撃は少々やりすぎかと」

「……お前は?」

「空野真琴と申します。つい先日、蒼天の嵐打ちアクトマライトの装着者としてこの世界に参りました」

蒼天の嵐打ちアクトマライト? ああ。そういえばそんなことを林檎樹の守り手リカンオリアが騒いでいたな。翼持ちの新参だろ? 女の装着者だとは聞いていたけど――異世界人か。きれいじゃん」

「光栄ですわ。よく言われます」


 金髪男は戦鎚を叩き付けた体勢のまま、真琴はそれを左手で受け止めた体勢のまま……二人とも動かない。唇だけで笑いながら会話している。


「ふっつーの格好してんね。鎧は?」

「宿に置いてきました。人として生きていく上で、有翼というのは色々不便でもありますので。背もたれのある椅子には座れなかったりと」

「ふぅん。それで? たかがその程度の装備でボクの一撃を止めようと?」

「バカな。先輩が本気なら、私のような未熟者、今ごろ消し飛んでいます。蒼天の嵐打ちアクトマライトをすべて揃えたとしても耐えられたかどうか…………歴戦の戦人、噂に聞こえた林檎樹の守り手リカンオリアだからこそ、私はこのような愚行に及びました。先輩が寸でで手加減してくれるとわかっていたからです」

「あはっ♪ 手加減ね。お前、ボクの噂知ってる?」

「それは人々の間を流れるものでしょう? もはや私たちは現人神同士。普通人と神を纏う者の意は違うはずです。しかし……だからこそ、民に対する慈愛も必要なのです」

「新参者に説教される覚えはないよ。このまま押し潰してやろうか?」

「どうか……どうか今日ばかりは怒りをお納めください。この不敬者ごと町を消し飛ばしたとあれば、先輩の勇名はさらに高まりましょうが……この町は、私が守り抜いた地でもあるのです」

「はあ? なにそれ?」

「赤たてがみのドラゴン。この町に害をなそうとしたそんな怪物に私のような若輩が挑んだのです。相打ちすら覚悟した、壮絶な死闘でした。ですから――どうか」

「このボクに、後輩の手柄を潰すなと、お前の護った町を潰すなと、お前の働きを評価しろと、そう言いたいの?」

「誤解をおそれずに申し上げるならば」

「へぇ…………」


 チャラ。

 重たい戦鎚が持ち上げられ、金髪男がにっこりと微笑んだ。


「いいよ♪ アイギスの誕生はボクにとってもめでたいことだ。その装着者の願いってことだし、叶えてやるよ。今回ばかりは、さ」


 地面に転がっていた黒色の外套を拾い上げると、それを肩にかけ、ゆっくりと歩き出す。

 尻もちをついていた女剣士を一瞥し、おびえと憎しみが混じり合ったその表情を鼻で笑った。


「次会う時までにもっといい武器を揃えておくんだね。今度は、壊れるまで嬲りきった後で、潰してやるからさあ」


 人気の消えた街路を歩き遠ざかっていく金髪男。そして赤銅色の大鎧。

 その足取りは堂々たるもので、まるで荒野をゆく征服者のようだった。孤高の存在である。


 やがて鎧姿の後ろ姿が見えなくなり、危険が過ぎ去ったことを誰もが感じ取り始めた頃。


「……やっばあ……メチャクチャこわかったぁ……」


 大きなため息と共に、オープンテラスの椅子に座り込んだ空野真琴。

 これでもかと疲弊しているらしく、頭を支える力すら残っていないのだろう。

 右手をひたいに乗せたまま、ぼんやりと空を仰ぐ体勢だ。


「てめえ、本当に俺の同級生かよ?」

 テーブルの影からのっそり立ち上がりながら、浅井秀介がそう言った。


「よかった……無事だったのね……」

 秀介の無事を認めた真琴は彼に向かって「ん」と右手を伸ばす。立ち上がらせてくれと、そういう意図だろう。


 野人のごとき太い指が、現代人の細い手首を軽く握った。そのまま引っぱり上げる。


「――あら? 腰に手を回すなんて、ルール違反じゃない? それ、あたしの彼氏にだけに許された特権なんだけどなー」

「よく言うぜ。腰、抜けてるくせによ」

「ごめんごめん。実は助かる。いやあ。生まれて初めて腰抜けてんだけどね。これ、マジで脚に力入んないのね。なんだか笑えてきちゃったわ」

「脳が混乱してるんだ。神経が落ち着くまでどうにもならんさ」

「そっか…………お昼ごはん、メチャクチャになっちゃったね」

「別に。俺はしっかり食わせてもらったからな。あの油の塊みたいのと、お前の料理」

「あははっ♪ さすが。ちゃっかりしてるわ」

「多少の恐怖よりは食い意地が優先するのさ。それよりも……いいかげん抱き上げてもいいか? この体勢は、めんどくさい」

「どうぞお好きに。でも、変なとこさわるのはなしだかんね」


 まるで幼子を扱うように軽々と、横抱きにされた真琴。

 お姫様だっこなど初体験だったが、まんざらでもない顔をしている。ぴったりと秀介に身体を寄せていた。


「冗談。そんなわけのわからん左手を持つ女相手に滅多なことができるか。消し炭にされたくないし、遠慮しとくよ」

「なによそれ――そうだ。これ、そこのテーブルに置いてくれる?」

「なんだ? 金貨が三枚?」

「そっ。あなたが食べた昼食代よ。それに、お店に迷惑かけた分も足してある。まあ、文句言われない額だとは思うわ」


 そして歩き出した秀介は、石畳に尻もちをついて放心状態の女剣士の前で立ち止まる。

 腕の中の美少女戦士に意見をあおいだ。


「こいつはどうする? 面倒だし、ほっとくか?」

「そういうわけにもいかないでしょう。仮にも林檎樹の守り手リカンオリアとその装着者に襲いかかったんだもの。この町の人たちが、この子にどんな制裁を下すか……」

「つまり……殺されると?」

「そういうことじゃあ――いえ……多分きっと、そうなるでしょうね。考えたくないけど」

「んで。その後、首を晒されると?」

「………………多分……」

「やれやれ。どこに行っても残酷なものだよな、人間ってのは」

「――ちょっ――なに歩き出してんの!? 止まりなさい!」

「ん? 腹はふくれたし、危ない現人神かみさまもどこか行ったし、いいかげん宿に戻ろうぜ?」

「バカッ! あたしたちと同年代の女の子がピンチなのよ? 男として駄目でしょ、その姿勢は。どんだけドライなのよ」

「これが俺だ。文句言われてもな。で、結局、女神様はどうされたいので?」

「……宿に連れて行く」

「馬鹿な。こいつもすぐには立てんはずだぞ? 俺の両手は空野真琴でふさがってる」

「じゃあ、肩に担げばいいじゃん」

「やれやれ。とんだマリー・アントワネットだな。俺はラクダじゃねえ」

「女二人ぐらい運べるでしょ? タダ飯食わしてあげたんだから、それぐらいやってよ」

「タダ飯ねえ」

「あたしのお昼ご飯まで食べたじゃん」


「…………ったく……どっちか落としても知らんぞ」

 そうぼやきながら秀介が、女剣士の前で膝をつく。

 右肩を差し出しながら言った。


「つーわけだ。うちの現人神かみさまがお前さんを助けたいんだと。んで、ちと無理を言うが、俺の肩に乗ってくれるか。お前も、腰が抜けて動けないんだろう?」

「………………」

「嫌なら別にいい。逆にそうしてくれた方が、手間がかからなくて楽だ」

「………………」

「早く決めてくれ。いつまでも神様の慈悲が手元にあると思うなよ?」

「………………っ」

 そして女剣士は秀介の広い肩に手を伸ばし。

「ん……んぐ……」

 のそのそと乗りかかった。


 おそらくは、彼女も、これから自らに降り掛かる制裁の嵐を予見していたのだろう。

 みじめに嬲り殺されるぐらいなら、この二人について行ってみるのも一つの手――そう考えたのだろう。まるで枝に引っかかった芋虫のような体勢は、これ以上なく不格好で、これ以上なく惨めなものだったが、生き残るためだ。仕方ない。


 およそ九〇キロオーバーの負荷を与えられた秀介の身体。

「よっ――と」

 しかし鍛え抜かれた大腿四頭筋は、その程度の重さものともせず、スムーズに秀介を立ち上がらせ。

 常軌を逸した体幹は、むちゃくちゃな加重バランスだと言うのに、きれいな直立を貫いた。歩き出す。まったくいつも通りに。


「あらためて考えてみるとすごい力よね。ターミネーターってこんな感じかしら?」

「十分重さは感じてるがね。例えば、肩の上の女よりも空野の方が重たいとか、な――っ」


 瞬間、秀介の顎を叩いたのは、真琴の右掌底だ。

「あたしが太ってるって!? このあたしが!」


 腰の入っていない手打ちだから秀介の脳を揺らすにはいたらなかったが……突然の被弾に、空手家はほんの少しだけ眉を上げるのだった。


「……そういうことじゃあないんだがな」


 宿へ向かってノシノシ歩いていく。

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