第7話 寸劇  男と女の…

  もっとも自然な なりゆきで

  男の四季が 終わろうとしているのね


  心のままに 押しつぶされる煙草

  組んだ靴先が 苛立たしくテーブルの足を小突いて

  はじけるライターの火に 伏目する あなた

  

  すべては 寸劇のはじまり


  あてつけに 白けたカップから

  ほのかな苦味が漂うて

  別れ話を切り出そうと 笑む横顔…


  ね  あなた


  陽炎のように揺らめくのは よしなさい

  苦しい恋に敗れた男を 演じているのでしょう?


  わたしは 一杯のコーヒー代で自尊心を買い

  頭の後ろに 勝利のため息を聞いたとしても

  微笑みすら浮かべて 退場するのですから


  そう


  アンコールのない寸劇を  終わらせるために

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