第3話 誇り

  たとえば

  ほんのわずかな 人の気まぐれが

  両の肩に 苦しみを乗せていったなら

  つま先ばかりを 見つめて歩くのもよい


  ささいな言葉尻に火がついて

  まわりの白い目に かこまれたなら

  穏やかに

  それらが身体の内を通って行くあいだ

  顔をそむけておればいい


  おのれの心が 背かぬように

  おのれの言葉が 裏切らぬように

  顎をあげ まっすぐに見返して  笑って……


  さぁ 勇気をだして

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