第3話 まほう

 カラン、カラン。

 下駄の音が、浴衣…帯がつくりだした息苦しさが。祭りの楽しさを加速させる。


「ん!」


 なんの前触れもなく、手を差し出された。


「速かったよな、ごめん」


 目もあわず、キミはそれだけ言った。“ありがとう”を込めて、繋ぐ。


 かおを見たくて、

 なにか話したくて、


 合いそうになったら、どちらかが、背く。


 ひゅ~~…って、最後のおおきな花火。まわりに感化されて、呑まれてでもいい。


 夢中になってみてる、キミのそばへ。


「すき」


 一瞬のまほう、叶うかな。


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