第69話 150ど

 吾輩はネコである。

 名前はちび太。



「うんーーーーっ」


 お風呂上りのご主人様が、ベッドの上でストレッチをしていた。

 吾輩は邪魔にならないようにと、ベッドの隅っこにいってその様子を眺めている。


 中学時代から毎日続けているというお風呂上りのストレッチは、なかなかどうして堂にったもので、


「ぅんんーーーーーーっっ」


 開脚前屈に至っては足が150度を超えて広がり、おでこがベッドにくっついていた。


 なんとなくその姿が気になった吾輩は、ご主人様の頭に、


 すりすりー

 すりすりー


 身体をなすりつけていく。


「お、ちび太。またすりすりにきたのか。俺が開脚前屈やるといつも来るよな。ちび太もストレッチしたいのか?」


 言って開脚前屈したままで吾輩を捕まえると、おまたを広げて同じポーズをとらせようとするご主人様。


 そうしてしばらくの間、同じポーズを決めていた1人と1匹だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る