第70話 にくきゅう

 吾輩はネコである。

 名前はちび太。



 ぷにぷに、ぷにぷに。

 ぷにぷに、ぷにぷに。


 ご主人様が吾輩の肉球をぷにぷにしていた。


「うーん、柔らかいっちゃ柔らかいけど、意外と思ってたほど柔らかくもないな……」


 なにやら作中で猫の肉球を触るシーンを入れるらしく、吾輩で実地検分を行っているのだった。


「室内飼いの猫の肉球は柔らかいって書いてあったんだけどな。あくまで屋外飼いと比較してってことか……? それとも個体差?」


 しばらくぷにぷにをした後。


 なんとも微妙な顔をして執筆を再開したご主人様だった。

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