第51話 ぷらもでる
吾輩はネコである。
名前はちび太。
ご主人様が机に向かって一心不乱に作業をしていた。
いつもの執筆作業ではない。
その証拠に愛用のノートパソコンは、朝からずっと画面が閉じられたままだった。
休日は日がな一日、執筆をしているのが常なご主人様が、一体なにをしているのかというと――、
「最後に武装を取り付けて……よし、完成だ!」
「ぷらもでる」を作っていたのだった。
「ネットで見かけてあまりのカッコ良さに衝動買いしちゃったんだけど、うん、実際に作ってみたらカッコ良すぎてヤバいな」
そう言って完成した「ぷらもでる」を眺めるご主人様は、まさにご満悦だった。
そして、
「ほらちび太、お友達だぞー。サーベルタイガーっていう猫のご先祖様をモチーフにしたロボットなんだぞー。うりうり、うりうり」
言って吾輩の目の前で、作ったばかりの「ぷらもでる」を動かすご主人様。
それだけでなく終いには寝ころんでいる吾輩に抱っこさせるように、無理やり腕の中に差しこんでくるときたものだ。
吾輩こういう硬くてトゲトゲしたものは苦手ではあるのだが、まるで子供のようにウッキウキなご主人様の楽しい時間に、あえて水を差すのは忍びない。
黙ってされるがまま、「ぷらもでる」を抱っこする吾輩だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます