第43話 どうぶつ

 吾輩はネコである。

 名前はちび太。



「哺乳類ギャグ10連いきます!」


 唐突に宣言すると、


「猫がねころんだ、犬は居ぬ、猿が去る、象だぞう、馬が埋まった、豚をぶった、イルカはいるか?、パンダの朝ごはんはパンだ、牛が笑うウッシッシ、イタチの生い立ち、ハイエナは言えない、シロサイにはむしろ災難、キリンの食べた焼きリンゴ、コイワシクジラの恋はしくじらない――」


 いきなり急に動物ギャグを思いつくまま言い始めたご主人様。

 しかも10連といいながら明らかに10個以上あるときたものだ。


 憐れ、ご主人様は頭が壊れてしまわれたのか……。

 やはり誰にも読んでもらえないのは作家として心を病むのだろうか……。


 ――などというわけではもちろんなく、直感力と発想力の向上のために、お題を付けて10個即興で考えるというクリエイターとしての訓練なのだそうだ。


「自分で言うのもなんだけど、最後のは高いセンスを感じるな。『コイワシクジラの恋はしくじらない』……ふう、やっぱり俺って才能あるな……」


 今日もうむうむとたいそうご満悦のご主人様だった。

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