第44話 もんぜつ
吾輩はネコである。
名前はちび太。
「ぐぬぬぬぬ……」
ご主人様が激しく悶絶していた。
右足の小指を抱えるようにして、涙目でうずくまっている。
そして吾輩はそんなご主人様をなぐさめるように、何度もスリスリしていたのだった。
いったいご主人様に何があったのかというと――、
「バトルシーンがしっくりこない。ちょい実際にスローで動きをやってみよう。まずは相手の攻撃をこうかわすだろ――」
そうして。
あれこれやっているうちに、どう考えても常人には無理な動きをやろうとしたご主人様は。
案の定バランスを崩してしまい、机の角で足の小指を盛大にぶつけて悶絶することになったのだった。
「こういうの『プロ小説家あるある』にありそうだよな……つまり俺は今この瞬間、プロの小説家たりえていると言えるだろう……」
いつもポジティブ。
小指を打ってぐぬぬしても、ただでは起きないご主人様だった。
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