第28話 俺達に任せろ。有名人に会いたいだろ?
ボクは着替えてテントの外に出るとお兄ちゃんが居ました。如何やら見られていたみたいだ。ボクが出て来たのに気づいて近づいてきました。素の姿でこのテントに入ったところを見られていたのでしょうか?
「白音ちゃん。夏奈は中に居るのか?」
ボクがお姉ちゃんのテントに入って行ったのは見られていなかったみたいで良かったです。ボクが入った事が見られていないなら普通に答えてあげましょう。もし見ていたら………
「居ませんよ。お……夏奈さんから勝手に使っていいよって言われましたのでお言葉に甘えて使わせてもらいました。何処にいるかはボクも分かりません。見かけたらお伝えしましょうか?」
「いや。いいよ特に用事無いから」
「そうですか。それならボクはもう行きますね。やることがあるので」
ボクはそう言って声優さん達が沢山居そうな場所に歩いて行った。勿論何処に声優さん達が居るか分からないから勘ですけど。お姉ちゃんのテントから出て少し歩いたらお姉ちゃんが居て他の声優さん達と話していた。
ボクが近づくとお姉ちゃん達が気づいてくれて手招きをしてきたのでボクは小走りで近寄って行きました。お姉ちゃん達はボクの話をしていたみたいでボクが走り寄って行くと「私の声出してみて」とか「このキャラの声やって」みたいにお願いされました。
ボクは丁度いいと思ってやる代わりに皆さんに明日やるコスプレ大会に出て貰う事にしました。勿論お姉ちゃんは強制なので連れて行くのも手伝ってもらいます。
ボクが声優さん達に話していると話を聞いていたお姉ちゃんは拒否しようとしましたが声優さん達と協力して参加させます。明日は覚悟しておいて下さい。
「明日はお願いしますね」
「「「「任せて!!白音ちゃん!」」」」
そこそこの人数の声優さんがコスプレ大会に参加してくれる事になったから参加させる人数は丁度良くなったんじゃないですか?取り敢えずコスプレ大会に参加してくれる声優さんを集めるのはもう良いかな?後は社長が集めてくれるでしょう。
だからボクは素の姿で中村達と遊ぶことにしよう。ボクは今日3度目のお姉ちゃんのテントでの着替えをすることにしました。
~着替え中~
俺は姉ちゃんのテントから出ると一直線に中村達が居たテントに向かった途中で青樹と会ったので一緒に行くことにした。雪野さんは居ないみたいだった。如何やら青葉ちゃんと楽しんでるらしい。
「彼奴等テントの中に居るのか!?」
「ああ、折角有名人が沢山集まってるのに何で顔出さないんだろうな」
俺が中村達の事を青樹に教えてやると声を大きくして驚いた。俺も採取見た時はめっちゃ驚いたよ。それに多分彼奴等の事だからまだテントの中に籠ってるんだろう。テントの前に着くと案の定中から中村達の声が聞こえた。
「お前ら外出て楽しもうぜ!」
中に入るなり青樹がそう言った。その声を聞いて中村達は俺達の方を向いたがすぐに興味を無くしてまた3人で話し始めてしまった。俺達は顔を見合わせて溜息を吐いた。こうなったら無理やり外に連れ出すしかないな。皆で楽しみたいからな。
「おい!何しやがる!」
俺達が中村達をテントから連れ出そうと引っ張たら全力で抵抗してきた。俺はあまり力が強いわけじゃ無いから中村達に全力で抵抗されると簡単に逃げられてしまう。だから殆ど青樹に任せるしかない。
中村達が暴れた所為で時間がかかったが何とか外に連れ出すことに成功した。まぁ俺は殆ど何もやってないんだけどな。外に連れ出された中村達は急に大人しくなった。外に出て周りに人が居たから騒いでると恥ずかしかったみたいだ。
「何で俺達を連れ出したんだよ!中に居させろ!」
「何でだよ。折角沢山の有名人が居るのに話さない何て損だぞ!」
八神が俺達に文句を言って来たので俺が答えようとしたら青樹が代わりに答えてくれた。何で有名人と話さないのか理由を聞いたところ如何やら自分達がここに居るのは場違い感があるかららしい。仕方ないので俺達が話しかけることになった。
「俺達に任せろ。有名人と話したいだろ?」
「それはそうだけどさ」
俺達は早速近くにいた。アイドルの明日香ちゃんに話しかけることにした。白音としては知り合いだけど鈴音としては知り合いじゃないから初めて感を出さないとな。まぁ兄ちゃんの弟って言えば結構楽にいくと思うんだよな。
「お!橘明日香ちゃんですか?!」
「はい!そうですよ」
青樹が行き成り明日香ちゃんに向かって言った。明日香ちゃんは営業スマイルをして対応してきた。青樹や中村達は気づいてないみたいだけど俺には分かるホントの笑顔を見た事あるからな。
仕方ないので俺が営業スマイルから変えてやろう。出来るか分からないけど兄ちゃんの弟だから何とかあるだろう。ホントは白音関係の方が話し易いと思うけどな。
「明日香さん。兄が事務所とかで迷惑かけてませんか?」
「兄?……白音ちゃん!?」
俺がフォローする為に兄ちゃんの事を出して話しかけると俺が言った兄が誰の事か分からなかったみたいで誰の事か聞こうと俺の顔を見て来た。俺の顔を見た瞬間に俺を白音と間違えたみたいで驚いた顔をしていた。まぁ声は地声だから白音の声じゃ無いのに顔が白音だったから驚いたのだろう。
「あ、違いますよ。良く言われますけど俺は白亜奈音の弟の鈴音です」
俺が間違いを治して自己紹介をすると少し不思議そうな顔をしていたけど納得してくれた。取り敢えずこれで話しやすくなった筈だ。
「ああ!奈音さんの弟さん!大丈夫ですよ。頼りになりますよ奈音さんは」
「そうですか。良かったです。両親の事で事務所に行くと兄ちゃんがふざけてましたから」
そんな感じで話していると明日香ちゃんは営業スマイルから心からの笑顔に変わっていた。如何やら上手くいったみたいだな。青樹がナイスとサムズアップ。
「あ、そうだ。明日香さんも如何ですか?明日社長がコスプレ大会するらしいのですけど出ませんか色々な人が出るらしいですよ。白音ちゃんも出るらしいですし」
「なんだと!?何で俺にコスプレ大会がある事教えてくれなかった!俺も出るぞ!」
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