第27話 お前ら何で外に行かないんだ?

キャンプ場に着くと車が大量に止まっている場所がありました。愛華さんは其処に車を止めるとボク達は降りました。隣の車を見るとお父さんの車でした。昨日はお姉ちゃんが運転した車ですね。


取り敢えず買って来た飲み物を何処に持って行くか分からないのでお姉ちゃんに電話して来てもらいましょう。ボクは白音用のスマホを取り出してお姉ちゃんに電話を掛けようとしましたが社長から連絡が入っていました。社長からの連絡は取り敢えず無視してお姉ちゃんに電話します。


『もしもし?』

「キャンプ場に着いたけど買って来た飲み物何処に持って行けばいいです?」

『私がそっちに行くよ。何処にいる?』

「お父さんの車の隣です」

『おっけ~』


お姉ちゃんはそう言ってから電話を切った。お姉ちゃんが来るまでの間に社長から来ていた連絡の内容を見てみる事にしました。如何やら明日コスプレ大会みたいな事をするからボクにも参加してほしいみたいです。


面白そうですね。ボクをパシったお姉ちゃんとボクを弄った愛華さんにも参加してもらいましょう。でも、お姉ちゃんは絶対に逃げようとするから愛華さんにも手伝ってもらって参加させましょう。


「愛華さん」

「な、何でしょう?」


ボクが名前を呼んだだけで愛華さんは背筋を伸ばして聞いてきた。ボク達の会話を聞いていた青葉ちゃんは愛華さんの反応にまた苦笑いしていた。青葉ちゃんも誘おうかな?青葉ちゃんには連絡言って無いみたいでしたから。


「明日、社長がコスプレ大会みたいな事をするらしいです。なのでそれにボクと一緒に参加してください」

「わ、わかり「コスプレ大会!私そんなの聞いてないよ!」」


ボクが愛華さんに参加するように言うと返事をしようとしたけど愛華さんが言っていたのを被せる様に青葉ちゃんが入って来た。そんなにコスプレ大会に食いつかないで欲しいんですけど。


「分かりました。参加します!だから素っ気ない態度をとらないでください!」


愛華さんは必至そうにそう言った。確かに意地悪しすぎたかもしれませんね。まぁ参加してくれなくても愛華さんとは何時も通りに接するつもりでしたよ。愛華さんがボクに必死に言ってる時に愛華さんの横で青葉ちゃんはボクを「ねぇねぇ」と揺らしながら言ってきました。とてもウザいです。


「青葉ちゃんは黙っててください。今重要な話をしているんです!」

「は、はい」


ボクが青葉ちゃんに怒鳴るように言うと青葉ちゃんはしょぼんとしてしまった。少し強く言いすぎちゃったかもしれませんが少しは待って欲しいですから。


「愛華さん。ごめんなさい。少し意地悪してしまいました。省力してほしいことがあるんです。協力してくれると嬉しいです」

「いやいや、私が気にしている事を言ってしまったのが悪かったからいいよ。それより協力して欲しい事って何?」


ボクは反省しながら愛華さんに謝りました。その後予定通りお姉ちゃんをコスプレ大会に無理やり参加させる協力をして貰おうとお願いしてみました。愛華さんは不思議そうにボクのお願いを聞いてきました。


「お姉ちゃんに明日のコスプレ大会に出させたいんですよ。ボクをパシったお返しに」

「あー………分かったよ」


愛華さんはボクのお願いを聞いて間を開けたけど協力してくれるみたいです。これでお姉ちゃんがボクから逃げても捕まえてコスプレ大会に参加させることが出来ます。念の為青葉ちゃんにも協力してもらいましょう。


「青葉ちゃん。コスプレ大会に参加したいなら青葉ちゃんもお姉ちゃんを参加させるの手伝って欲しいです」

「分かった!任せて!だから社長さんにはちゃんと言っておいてね!」


ボク達がそんな話をしているとお姉ちゃんが見えました。ボク達3人はお姉ちゃんの方に歩いて行き合流しました。それからお姉ちゃんに案内してもらって社長にコスプレ大会の事を話したり先に来ていた声優さんと話したりしました。


その後ボクはお姉ちゃんのテントに入って鈴音になる為に着替えをしました。


~着替え中~


着替え終わった俺はテントの周りに誰も居ないか確認してからテントを出た。白音が入った筈なのに俺が出てきたらバレれる可能性があるからな。テントから出た俺は白音の着替えとかが入ったカバンを持って俺が泊まるテントに入った。


そのテントでは中村と八神、柴森が居て声優達のサインの話をしていた。お前ら外に行かなくていいのか?お前達が話している声優がめっちゃいるぞ?俺が入って来たことには気づいていないみたいだ。チャックの音とかしてる筈なのに何で気づかない。


「何で中で話し合ってるんだよ。外行けよ」

「お!やっと来たのか」


俺が声を掛けると中村達はやっと俺の存在に気づいて俺の方に顔を向けた。そして八神がそう言ってきた。俺はこいつらが馬鹿な事やってるのを可哀そうな人を見る目で見ていた。


「お前ら何で外に行かないんだ?お前らが好きな声優とか居るだろ?」

「そうなんだけどさ」


俺が外に行かない理由を聞いても答えてくれなかった。なのでこいつらは置いておいて青葉ちゃんと合流して青樹に来た事を報告しておこう。皆で楽しめばいいんだ。序でにアイドルの人達にコスプレ大会に出ないかも誘ってみよう。


アイドルがコスプレ大会に出れば面白いことになりそうだしな。そうなると巣の姿より白音の方が出てくれやすいかな?そうと決まれば早速着替えよう!俺はさっきテントに持って行ったカバンをまた取って姉ちゃんのテントに入った。

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