第26話 私そんなに気持ち悪い笑い方してた?

原画の片付けが終わって必要な荷物を持って玄関に行くと既に青葉ちゃんと愛華さんは待っていました。ボクが片付けるのが遅かったですかね?


「すみません。少し遅れました」


ボクがそう言って2人に近づくと笑顔で大丈夫と言ってくれました。それからすぐに愛華さんの車に乗り込んでお姉ちゃん達が居るキャンプ場に向かいました。ボクの家からキャンプ場までは1時間くらいかからるけど愛華さんには頑張って貰いたいです。車を運転出来るのは愛華さんしか居ないですから。


「お昼ご飯如何しようか?」

「そうですね~」


愛華さんは車を運転しながらそう言いました。あ、因みにボクは助手席に座ってます。青葉ちゃんは勿論後部座席です。

ボクは特に食べたいものはないので青葉ちゃんと愛華さんに決めて貰いたいと思います。でも、蕎麦は止めてくださいね。蕎麦アレルギーなので。青葉ちゃん達は知らないんでしたっけ?


「ボクは何でもいいですけど蕎麦は止めてくださいね。アレルギーなので」

「そうだったの!?中学の頃から知ってるのに知らなかった!」


ボクがアレルギーの事を話すと青葉ちゃんは滅茶苦茶驚いていた。そんなに驚く事じゃないと思うんですけど?愛華さんは普通に分かったと返事をして昼ご飯に何を食べるか考えていた。


「じゃあ天丼でも食べましょう!」

「天丼かぁ。いいね!天丼にしましょう!」


青葉ちゃんが突然天丼を食べると言い出した。愛華さんも天丼を食べる事に賛成みたいで近くにあった天丼屋の駐車場に車を止めた。何で都合よく天丼屋があるんでしょうか?それに青葉ちゃんは何を思ってそう思ったのか分からないけどボクは反対じゃないですよ。


3人で天丼屋に入って天丼を食べた。ボクには少し多かったので青葉ちゃんと愛華さんに少し分けて食べて貰いました。まぁ3人の中で唯一男のボクが一番食べれないのはちょっと情けなかったんですけどホントに食べられなかったので食べて貰いました。


「何でこのくらいの量を食べれないのかなぁー」


天丼屋を出て車に戻る途中に愛華さんにそう言われました。何時もならあれくらいの天丼は食べれるんですけど今日はちょっとあんまりお腹空いてなくて食べれなかったんですよ!悪かったですね!あれくらいの量食べれなくて!


ボクは愛華さんの言葉を聞かなかったことにして話しかけられても答えない様にしました。ボクが顔を背けていたら愛華さんが少し慌ててボクに向いて貰おうと声を掛けていた。


「ゴメンね!いじけないで!こっち向いてその可愛い顔見せてよ!」


ボクはこんな格好してるけど中身は男だから可愛いって言われてもあんまり嬉しくはないんですよ。それに愛華さんの声が聞こえた後に何かグへへへへって聞こえて来た。何か怖かったからボクは速足で車に戻りました。



「愛華さん。気持ち悪い笑い方するから白音ちゃんが怖がって逃げちゃったじゃないですか。拗ねた白音ちゃんも可愛かったのに………」

「私そんなに気持ち悪い笑い方してた?」

「はい。グへへへへって言ってました。向けられた本人は怖いですよね?」

「そうだね。気を付けないと。白音ちゃんの笑顔が見れないのは嫌だ!」


ボクが車に向かった時に青葉ちゃんと愛華さんはそんな話をしていたみたいです。でもボクは聞こえていませんでした。


「早く開けてください。中に入れないじゃないですか」


ボクは車のドアの前で愛華さんにそう言いました。愛華さんはボクが言ったことを聞いて急いで車のカギを開けました。それからボクは車の中では愛華さんが言ってきたことに素っ気なく答えていました。暫く車を走らせてキャンプ場の近くに来ました。後10分くらいで着くらしいです。そんな時にお姉ちゃんから電話がかかってきました。


「もしもし?」

『もしもし、白音。今、何処に居る?』

「後10分くらいで着きますけど?」

『ならキャンプ場に来る前に飲み物買ってきてくれない?足りなくなっちゃってさ』

「………分かりました」


お姉ちゃんからの電話は買い物のお願いでした。パシられるのは嫌だったんですが後からお姉ちゃんに何かお願いして埋め合わせして貰いましょう。取り敢えず愛華さんに近くのスーパーに寄ってもらう事にしましょう。


「愛華さん。キャンプ場に行く前にスーパーに寄って下さい」

「分かった任せて!」


愛華さんは久しぶりにボクから話しかけられて嬉しそうにそう言いました。愛華さんの反応を見て青葉ちゃんは苦笑いしていました。

愛華さんは近くのスーパーの駐車場に車を止めました。ボク達3人は車から出て飲み物を買いに行きました。


「そういえばスーパーに何しに来たの?」

「お姉ちゃんから飲み物が足りなくなったから買ってきてって言われたので来たのですけど、何の飲み物が良いですかね?炭酸系ですか?それともお茶ですかね?」


ボクはスーパーに寄った理由を話した後2人に何系の飲み物か聞いてみました。何の飲み物を買ってきて欲しいとは言われてないんですよね。勝手に勝って行っていいんでしょうか?何が足りないのかも分からないですし。


「取り敢えず適当に勝って行けばいいんじゃないかな?」


じゃあ適当に選んで買っていきましょう。文句は受け付けません。飲み物を買ったボク達はキャンプ場に行きました。

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