第22話 サーイエッサー!!
ボクは今家の前に立っています。手を伸ばしてドアを開ければ家に入れます。でもボクは今は入れないのです。今日は両親が家に居るからです。白音の姿で家に帰るわけにはいきません。
「如何しましょう。急いでたので服持って行くの忘れてました」
取り敢えずお姉ちゃんに連絡して如何にかしてもらいましょうか。ボクだけでは何もできません。ボクは早速スマホを取り出しました。白音用のですけどね。鈴音用のスマホは制服に入れっぱなしでした。
何回かコールしてお姉ちゃんが電話に出てくれました。
『もしもし?如何したの?』
「今家の前に居るんですけど家に入れないです」
『どうして?普通に入ってくればいいじゃない』
「今ボクは白音の姿なので入れないです。家に入れるようにお父さんを如何にかするか服を持ってきてください」
『分かった。任せて』
お姉ちゃんはそう言って電話を切りました。暫く待っていましたが来てくれませんでした。それから5分くらい待っているとドアが開いてお姉ちゃんが出てきました。
「お待たせ」
ボクはお姉ちゃんに隠れながら自分の部屋に戻った。着替える前に制服からスマホ出しとかないと忘れちゃいますからね。
~着替え中~
俺は着替え終わったので皆が居るリビングに向かった。姉ちゃんは知ってるけど父さんは俺が帰って来た事知らないから何か言われない様に俺が帰ってきたことを教えに行こう。
「あ!鈴音お兄ちゃんおかえり!」
「ただいま」
俺がリビングに入ると音夏が俺に気づいて挨拶してきた。俺はそれに返事を返した。父さんは俺達の会話で俺が帰って来た事に気づいたみたいだ。
「鈴音。何時帰って来たんだ?気づかなかったぞ」
「さっき帰って来た」
俺はそう言って音夏の隣に座った。またイラストを描いていたからそれを見ようと思ったのだ。意外と上達していた。色々やって過ごしていると事務所のキャンプの話を父さんと母さんと姉ちゃんがしていた。
「じゃあ皆初日から参加でいいのかな?」
「俺は初日いけないぞ?2日目の途中から参加することになってる」
俺がそう言うと皆頭に"?"を浮かべた。まぁ当たり前だ。今まで言って無かったからな。
「社長には言ってある。それから学校の友達も一緒に行っていい事になったから連れて行ってあげて」
「何時の間にそんな事お願いしてたんだ?それから連れて行くのは何人だ?」
父さんは不思議そうにそう言ってきた。母さん達は俺が白音だと知ってるから不思議そうな顔はしてなかったが呆れている様だった。何で呆れるのか知らないけどそんな顔しないで欲しいんだけど。
「6人」
俺がそう言ったら父さんは考え始めた。車で行くから誰が運転するとか考えているんだろう。
「なら2台で済むな。年齢が近いから夏奈が運転するか?もう免許取っただろ?」
「何で私が………やっぱり私が運転するよ」
姉ちゃんは最初嫌そうだったけど何を思ったのか運転することにしたみたいだ。間があったからその間は何を考えていたか気になるけど、どうせ聞いても教えてくれないだろう。その後夕食を食べたり風呂に入ったりした後に寝た。今日は疲れたからな。明後日からはキャンプだ。
「鈴音お兄ちゃーん。朝だよ!」
俺はその音夏の声とパシャっという音で目が覚めた。また音夏が俺の寝顔を取ったのだろう。そろそろ止めて欲しいんだけど。
「………おはよ」
「おはよう!」
音夏はそう言って部屋から出て行った。俺も制服に着替えて部屋を出た。その後朝食を食べて学校の準備をして家を出た。今日も何時も通り姉ちゃんと音夏と登校した。
教室に入ると俺の机の周りでキャンプに行くメンバーが集まっていた。何してるんだろう。俺以外全員いるみたいだ。
「何で俺の机に集まってるんだ?」
「鈴音ちゃんおはよう!」
俺が声を掛けると皆が俺を見た。青葉ちゃんは相変わらず青葉ちゃんは俺に抱き着いてくる。恥ずかしくないの?俺はちょっと恥ずかしいよ。
「愈々明日だな!楽しみで寝れるか分からないぜ!」
「遠足前の小学生か!」
何か中村と柴森が面白くもない漫才を始めたので俺達は無視することにした。ていうかまだ俺はキャンプに参加出来るか言って無いんだけど。
「中村、柴森。まだ俺達がキャンプに参加出来るか分からないんだぞ?」
「「そうだった!?」」
「まぁ参加出来るんだがな。姉ちゃんにお願いしたし俺からもお願いしたからな」
俺がそう言うと中村達が流石とか言いながら肩を組んできた。肩を組まれている俺を見て青葉ちゃんは急いで俺を中村から引き離して自分に抱き寄せて中村を睨み付けた。
「ちょっと!鈴音ちゃんと中村が肩組んでると中村が女子に無理やり肩組んでるみたいでアウト!」
何で俺と中村が肩組むとアウトなんだよ。俺は女子じゃないからアウトじゃないと思うんだけど。それから何で青葉ちゃんは俺を抱き寄せる必要があるのかな?
「明日は俺の両親が送ってくれるから全員8時に俺ん家に集合な。遅刻したら置いてくからな」
「「「サーイエッサー!!」」」
中村達はそう言ったのを見て俺は冷めた目で中村達を見ていた。青葉ちゃんも俺と同じ目立った。雪野さんは笑っていて青樹は苦笑いだった。因みにクラスメイトも変な人を見る目で中村達を見ていた。
それから俺たちは授業を受けて家に帰った。今日はアフレコあるけど何時もより少ないから楽だな。
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