第17話 着替えてきたいんですけど……

ただいま」

「お邪魔しまーす」


俺と青葉ちゃんがそう言って家に入ると中からは誰の声もしてこなかった。何時もなら音夏が居るんだけど今日は姉ちゃんの誕生日プレゼントを買ってから帰るって言ってたから居ないんだよな。


今日の夕食は音夏と母さんが作ることになってて両親がケーキを買って来ることになってて今日は俺と兄ちゃんの仕事が何時も以上に多かったからプレゼントを買って来るだけだったんだけど兄ちゃんは撮影が終わらなくて両親も監督がカットを追加したから間に合わなそうだったから俺はケーキを買ってこなくちゃいけなくなったんだよね。


「あれ?音夏ちゃんは?」

「姉ちゃんのプレゼントと夕食の買い出ししてるよ。ケーキ買ってきたら音夏を手伝ってあげて欲しいんだ。お願いできないかな?」

「いいよ。そういえば私プレゼントとか用意してないよ?いいの?」


青葉ちゃんが俺のお願いを二つ返事でokしてくれた。その後青葉ちゃんはプレゼントの事を気にしてたけど用意してなくても大丈夫だよ。手伝ってくれるんだからプレゼント無くても問題ない。


「大丈夫だよ。夜ご飯を作ってもらうんだからそれがプレゼントだよ」


俺が無自覚でしかしない笑顔でそう答えた。俺が笑顔で答えたのは青葉ちゃんに納得して貰うためだったんだけど青葉ちゃんが俺を見ながら頬を赤くしてボーっとしていた。


「青葉ちゃん。ボーっとして如何したの?」

「え?い、いや何でもないよ?」


少し慌てた様子で顔を赤くしてそう言った。何でそんなに恥ずかしがってるの?青葉ちゃんの様子も気になるけどそろそろ事務所に行かないと間に合わない時間になってしまった。


「そろそろ出ないと間に合わないからケーキ頼んだよ青葉ちゃん!」

「わ、分かった!任せて!」


俺は時間が来たことを言ってから自分の部屋に行って白音の姿に着替えた。それから玄関に向かって靴を履いたところで思い出したことがあった。


最近社長とかお姉ちゃんとか愛華さんに白音の格好で出歩く時は変装して歩いてって言われてることを思い出した。ボクはそんなに有名じゃないから変装なんてしなくてもいいと思いますけど何で変装してって言ったんでしょう?


取りあえずパーカーを着て付いてるフードを被ることにした。それとボク、鈴音がこの前掛けてたメガネを掛けることにした。多分これで変装は完璧だと思います。


ボクが事務所に入ると愛華さんの後姿が見えたので小走りで愛華さんに近づいて行って後ろから話しかけた。


「愛華さん!」


ボクがそう言ったら愛華さんは後ろを向いてボクを見て首を傾げた。ボクは今フードを被っていて愛華さんより身長が低いから愛華さんはボクの顔が見えないみたいだ。


「誰ですか?」

「ボクですよ。白音です」


愛華さんがボクに誰か聞いてきたからボクは被っていたフードを取りながら名前を言った。ボクがフードを取って名前を言うと愛華さんは少し驚いていた。


「愛華さんに言われた通り変装してきましたよ」

「白音ちゃんってメガネ掛けてても変わらないね。だからメガネ掛ける意味ないと思うよ」


ボクは少し自慢するように言ったら愛華さんはメガネ掛けても変わらないから掛ける意味無いって言われて分かったことがありました。ボクにはメガネは似合わないって事が分かりました。だからこれからメガネはもう掛けません。


「そんなにボクがメガネ掛けてると似合いませんか?」

「え?別に似合ってるよ。ていうか似合いすぎてて白音ちゃんってあまり違和感ないね」


そうでしょうか?そんなに似合うんですか?でも変装にならないんだったら掛ける意味ないですね。そんな話をしながらアフレコスタジオに向かって歩いていると色々な人から声を掛けられた。まぁ今日はメガネしてますから。


「白音ちゃん白音ちゃん」

「なんですか?」

「私と一緒に写真撮ってSNSにアップしてみない?」


ボクは愛華さんにそう言われて少し考えてみた。ボクのアカウントには自撮り写真はあまり乗ってなかった。これからはもっと撮ってみましょうか?


「そうですね。そうですね楽しそうです」


ボクは歩きながらそう言った。スタジオを着いたらまだ来ていない声優さんが居たからボクと愛華さんはスタジオに来るまでに話していた写真を撮ることにした。


ボクは白音用のスマホを取り出してカメラを起動した。愛華さんもスマホを出していて恐らくカメラを起動してるんだと思う。それからボクと愛華さんは笑顔で写真を撮ってSNSにアップした。


それからアフレコを何本かしてボクは事務所から出た。因みに愛華さんはボクよりアフレコが少なかったみたいで先に帰った。事務所からボクは帰る前にお姉ちゃんのプレゼントを買わなきゃいけない。何をプレゼントするかまだ決めてなかった。


ボクからお姉ちゃんに渡すプレゼントはノートパソコン。この前反応が遅くなったって言ってたから誕生日プレゼントにしました。"高校生が誕生日にプレゼントする物じゃない"ですか?ボクは仕事してますからね。それにあんまり使って無いですから。


ボクはノートパソコンを買ってから家に帰った。因みにノートパソコンは10万円しないくらいの値段だった。お金は昨日おろしてきたから問題はなかったです。少しはお金使ってますけど入って来る方が多いので増える一方です。因みにお姉ちゃんの月給は知らないからボクとどれくらい違うのか分からないですね。


家に帰ると既にお姉ちゃんが帰ってきていた。ボクはプレゼントも買ってたし、アフレコも何時もより多かったから帰って来るのが遅れてしまいました。ボクが遅くなるって分かってたから先に夜ご飯食べてていいって言ってあったから3人で食べていた。


「ただいま~」

「お帰り~」

「白音お姉ちゃん!お帰り!」

「おかえりなさい」


ご飯を食べてた3人は食べる事を止めてボクに近づいてきた。皆さん?何でボクに近づいてきてるんですか?ボクは今から着替えに行きたいんですが……


「白音。席に着いて一緒にご飯食べましょ」


お姉ちゃんがそう言ってきた。ボクが着替えてからでもいいのに何ですぐに席に着かせようとしてるんですか?荷物も置きたいですし、プレゼントを見られるかもしれないですし。


「いや、着替えてきたいんですけど……」

「着替え何て後ででいいんだよ!」


そう言って音夏と青葉ちゃんはボクの腕を掴んで席に連れて行った。仕方ないからボクはされるがままになって席に座りました。それから皆でご飯を楽しく食べてからケーキを食べました。


「じゃあ今からお姉ちゃんにプレゼント渡すよ!」


そう言って音夏がラッピングされたプレゼントをお姉ちゃんに渡した。それを見てボクもノートパソコンが入ってる紙袋事を近くに持ってきた。


「開けていいの?」

「いいよ!」


音夏がそう言うとお姉ちゃんがラッピングされたプレゼントを開け始めた。そのプレゼントは……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る