第13話 え?ホント?
一条青葉です。よろしくお願いします。夏奈さんたちはお久しぶりです」
「よろしく」
青葉ちゃんがそう言ったら社長は適当に返して。お姉ちゃん達は久しぶりって言ってた。それから青葉ちゃんを社長室に置いてきてボクとお姉ちゃんは一緒にアフレコスタジオに向かった。最近お姉ちゃんとアフレコすることが多くなった気がします。
スタジオに着くと愛華さんとか色々な声優が居た。その中には星名も居て少しびっくりした。他にも今年入った新人さんが居るみたいでボクたちが入ってきたら元気に挨拶してくれた。皆元気ですね。ボクはもう疲れてますよ。
「あれ?白音ちゃん疲れてるの?」
「大丈夫ですよ。今日はアフレコするだけですから」
ボクはそう言ってカバンから台本を出して席に座った。お姉ちゃんと愛華さんはボクを見ながら何か話してるみたいだけどボクには聞こえませんでした。ボクが台本を読んでいるとアフレコが始まった。
ボクやお姉ちゃん、愛華さんは殆んどリテイクしないけど星名や他の新人さんは必ず1回はリテイクしていたから何時もより時間が掛かりました。まぁリテイクは新人声優なら絶対に通る道なので頑張って下さい。
「白音ちゃんお疲れ様~」
「お疲れ様です」
「白音ちゃんお疲れ~」
「お疲れ様です」
一緒にアフレコした声優は何故か必ずボクに挨拶して行くんですよ。何でですかね?お姉ちゃんと愛華さんに聞いてみることにしますか。前は絶対挨拶する訳じゃ無かったけど3ヶ月ぐらい前から必ずボクに挨拶してからスタジオを出ていくんですよね。
「何で皆さん必ずボクに挨拶してから出て行くか知ってますか?」
ボクがお姉ちゃんと愛華さんに聞いてみると2人とも少し考えて中々理由が分からないみたいだった。でも愛華さんもお姉ちゃんも必ずボクに言ってくんですよね。忙しくても必ず。ボク何かしましたかね?
「白音ちゃんとアフレコで一緒になったら終わった後に挨拶すると皆次のアフレコが調子良くなるからだよ」
何でボクに挨拶すると次のアフレコで調子良くなるんでしょうか?ボクは特に関係ないんじゃないでしょうか?偶々調子がよかった。だけじゃないでしょうか?
「お姉ちゃんと愛華さんは昔から挨拶していましたけどその時からですか?」
「嫌。違うよ。皆と同じで3ヶ月ぐらい前からだよ」
「3ヶ月前白音ちゃんがアフレコするキャラが増えた時期からよ」
それからお姉ちゃんと愛華さんとボクで新人さんの質問に答えていって愛華さんは次のアフレコに行ってボクも次のアフレコの準備の為にスタジオを出た。お姉ちゃんはもう少し後でアフレコがあるけどずっと新人さんの質問に答えてるわけにはいかないからボクと一緒にスタジオから出ることにしたにみたいです。
スタジオから出たらお姉ちゃんは社長室に行くみたいなのですぐに分かれてボクは次のスタジオに向かった。ボクがスタジオに入るとまた新人さんが居た。去年より新人さんが多いですね。今年は如何したんでしょうか?
それからアフレコが無事終わってボクは社長室に行くことにした。ボクの次の仕事はお姉ちゃんとだからお姉ちゃんはのアフレコが終わるまで待ってなきゃいけないんですよ。
社長室に着くと音夏がイラストを描いていて青葉ちゃんと社長がコスプレの話で盛り上がっていた。ボクもその話に混ぜて欲しいんですけど興味あります!ボクが社長室に入って来たのを社長と青葉ちゃんが気づく前に音夏が気づいた。
「あ!白音お姉ちゃん!」
音夏がボクに気づいて近寄って来た。音夏の声で青葉ちゃんと社長がボクに気づいて話を止めて声を掛けてきた。
「お疲れ様白音ちゃん!」
「今日はまだ仕事があるからもう少し時間かかりますよ?ずっと待ってるのは暇じゃないですか?」
「なら白音ちゃんの次の仕事に付いて行けばいいんじゃないから?」
青葉ちゃんが暇かと思って聞いたら社長がそう言った。ボクの次の仕事は事務所がしてるアニメの生配信ラジオだから付いてこれますけど何で社長がボクのスケジュール知ってるんですか?
「付いて行っていいの!?」
青葉ちゃんが社長が言ったことに食いついてきた。まぁ秘密にしないといけないわけじゃ無いからついてきてもいいんですけどね。音夏は何時まで社長室に居るつもりなんですかね?
「いいですよ」
「やった!」
青葉ちゃんがそう言ってめっちゃ喜んでいた。その後お姉ちゃんが来るまで青葉ちゃんと社長とコスプレの話をしたり音夏にイラストの描き方を教えてたりした。
「白音お待たせ。行きましょうか」
お姉ちゃんが社長室に入ってすぐそう言った。お姉ちゃんはアフレコが予想より長引いて少し急がないといけなくなったからボクは頷いてお姉ちゃんと青葉ちゃんと一緒に生配信ラジオするスタジオに移動した。社長が青葉ちゃんも来るって連絡しておいてくれた御陰で何事もなく始めることが出来た。
ラジオは特に何事もなく終わって青葉ちゃんに感想を聞いてるところだ。
「青葉ちゃん。面白かったですか?」
「面白かった。今日はありがとう連れてきてくれて」
「どういたしまして」
それからボクの今日の仕事は終わってお姉ちゃんも一緒で最後の仕事だったから社長室に戻って音夏を連れて帰ることにした。因みに音夏も青葉ちゃんと一緒に見るか社長に誘われてたけど断っていた。何ででしょうか?
家についてボクは最初に着替えた。その間青葉ちゃんはリビングに居てお姉ちゃん達と何か配してるみたいだった。ボクは家だから鈴音に着替えてきた。着替えたらまず最初にやることは地声に戻す事。間違えたことがあったからな。
「青葉ちゃん。そろそろ帰らなくていいの?送ってくよ?」
「そうだね。もうこんな時間だしね」
青葉ちゃんはそう言って立ち上がった。俺も一緒に立ち上がって青葉ちゃんを家まで送ることにした。
「鈴音ちゃんも夜1人で歩くの危ないよ?可愛いんだから」
「俺は男だぞ?確かに女顔だけどメガネしてるから大丈夫でしょ」
俺はそう言ったけど青葉ちゃんは納得してなかった。何で納得してないんだよ。俺がメガネかけてれば女子に間違われることはないでしょ。
「鈴音ちゃんさ、前から思ってたけどメガネ掛けてれば女の子に間違われることないと思ってるみたいだけどさ、普通に女の子に見えるよ?」
「え?ホント?」
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