第9話 そんなに驚く事か?

生配信は楽しかったなぁ。周りの皆も興味深そうに見てて偶に配信に声が入って誰の声?ってコメントされたのが面白かったなぁ。何時もはイラストを2~3枚描いて配信を終わらすんだけど今日は急遽配信したし平日だから見てる人いなくなるから1枚しか描かなかったんだよね。今日見に来てくれたのは500人いかないくらいの人が見に来てくれたんだ。何時も配信してるときは休日だから1000人くらいは見に来てくれる人が居るけどね。


配信が終わって片付けしてたら周りの人たちはさっきの配信の話をしていて片付けを手伝ってくれたのは一条さんと数人で社長も途中から来て見てたみたいで社長も少し手伝ってくれました。片付けをしてる時に喋ってた人達は後から社長に怒られたらしいです。


それからやること無かったからボクは帰ることにした。お母さんには何故学校に言って無いのか聞かれたので仕事だったって言いったけどバレてましたかね?今回は見逃してくれました。


今日は鈴音の服持ってきてるから着替えてから帰らないとお兄ちゃんとテレビ局の人が居るからね。まぁ制服じゃないから学校行ってない事バレるけどお兄ちゃんは誤魔化しやすいから大丈夫かな?流石に事務所で着替えるとボクが男だって知らない人も居るから白音から鈴音に戻った時に"誰?"ってなるから着替えられないね。如何しようか?


結局事務所で服を着替えて髪の色は近くのスーパーとかのトイレで落とすことにして着替えてから事務所を出た。丁度昼ご飯を食べてなかったからレストランのトイレで髪の色を戻した。


「ただいま~」


俺が帰ってきたら兄ちゃんは兄ちゃんの部屋で撮影してるみたいだったので邪魔しない様に通り過ぎようと思ったんだけど兄ちゃんが気づいて俺を兄ちゃんの部屋に連れ込まれた。


「おい鈴音。学校は如何した?」

「早退してきた」


兄ちゃんは俺が予想した通り今家に居る理由を聞いてきたので適当に考えて返したら兄ちゃんは納得した。周りに居たテレビ局の人たちは兄ちゃんを吃驚した顔で見ていた。まぁ制服で帰ってきてないところを見ると普通嘘だって分かるのに兄ちゃんは納得しちゃったからな。


「そうだ!まだ鈴音の事紹介してないから今しよう!」


そう言って兄ちゃんは俺の紹介を始めた。俺は適当に話して終わらした。俺の紹介はしないでほしかったんだけどな。俺は家族の中で唯一才能が何もないからな。才能がある奴はホントいいよな。両親は絵の才能が有って、兄ちゃんは歌の才能が有って、姉ちゃんは演技の才能が有って、音夏は声真似の才能が有るのに俺には何の才能もないからな。


家に帰って来たから事務所で出来なかった投稿用のイラストを描こうかな?事務所で配信した時に描いたイラストは机の上に取りあえず置いといた。そういえば俺が新しい倍速動画を投稿すると白銀が男か女かどっちか分からないってコメントに書いてあるんだよ。俺は肌は元から白かったから手を見て女子って言われることもあるんだよ。だから分からないんだろう。コメントは女説の方が少し多いかな?中には男の娘って説もあるけど俺は男だから!白音は女の子だね。中身は違うけど。


それからイラストを何枚か描いてると玄関から音夏の声が聞こえた。如何やら結構時間が経ってたみたいだ。取りあえず今はキリがいいからさっき撮った動画を倍速にしたり少し編集しようか。俺の部屋にはパソコンがあるんだよ。俺のだな。それを使って編集を始めてすぐに音夏が俺の部屋に入って来た。


「し、鈴音お兄ちゃん!今日はイラストの描き方教えて!」


音夏が入って来て白音って言いそうになっていた。途中でちゃんと俺の名前に変えてくれたからいいけどそのまま白音って言ってたら兄ちゃんにバレる危険性があるんだから注意してくれよ。まぁ言わないけど音夏も分かってるだろうからな。気を付けろとだけは言っておく。それにしても何で今日は絵じゃなくてイラストなんだ?


「イラスト?今日は絵じゃないんだな」

「まあね。今日昼休みにね偶々……」


そう言ってから音夏は止まってしまった。何で喋ってる途中で止まったんだ?音夏に声を掛けても反応しなかったので音夏の目線の先を見てみると俺が事務所で配信した時に描いたイラストかパソコンの画面を見ていた。


「鈴音お兄ちゃん!何でそのイラストが鈴音お兄ちゃんの机にあるの!」

「これか?俺が描いたからだが?そういえば置きっぱなしだったな」


俺が机に置いてあった事務所で配信した時のイラストを見せながらそう言うと音夏は凄い勢いで頷いた。そしてとても驚いた顔して俺に近寄って来た。俺が何かしたのか?そういえば事務所でも同じような事があったような?


「し、し、白銀さんって鈴音お兄ちゃんだったの!?」

「え?そうだけど……そんなに驚く事か?」

「何言ってるの!?鈴音お兄ちゃんは何で白銀さんだって言ってくれなかったの!?」


え?この妹は何を言ってるんだろうか。俺は分からなくなってきたよ。まぁ元から分からない事はあったんだけどさ。普通は言わないよね?音夏も投稿してること言わなかったんだから俺と一緒だろうに。そのことを音夏に教えてあげると「確かに」って納得していた。


それから白銀の事を説明して音夏がイラストを教えてって言った理由を教えて貰った。如何やら俺が事務所で配信したのを昼休み見ていたみたいで自分もやってみたかったみたいで俺なら出来ると思って教えて貰おうとしたんだって、だから編集序でに教えてあげることにした。暫くして姉ちゃん達が帰ってきて1日が終わった。兄ちゃんは明日帰るらしい。




「鈴音お兄ちゃん起きて!」


音夏の声が聞こえてきたので目を開けてみると音夏が俺を揺すっていた。起こしてくれたみたいだ。俺、朝はあんまり強くないからありがたいんだけど俺を起こすたびにスマホのカメラを起動して起こすの止めて欲しいんだけど?だって俺が起きる時とか伸びをする時とかに写真を撮るのを止めてもらえますか?


「おはよう!鈴音お兄ちゃん!」

「おはよ」


音夏は俺が起きたのを確認出来たら部屋を出て行った。序でに言っておくと音夏だけじゃなくて姉ちゃんも俺を起こすときにカメラの準備をするんだよね。何か前に確認したら俺の寝顔まで撮ってるみたいなんだ。マジで止めて?


今日は学校に行く日。因みに昨日は前から分かってた仕事で学校に行けなかった。だからテレビ局の人達が来てから2日経った。最近2日連続で学校行って無いけど大丈夫かな?制服に着替えて1階に下りてリビングに行った。姉ちゃんは昨日は学校に行ってたんだぜ。朝食を食べてから学校に行く準備をして学校に行く時間が来たから音夏と姉ちゃんと一緒にが家を出た。


「「「行ってきまーす」」」


3人で話しながら学校に向けて歩いていると途中で音夏と分かれてそこからは姉ちゃんと2人で学校に向かった。歩いてると徐々に同じ制服を着ている人達が増えてきた。学校に近づいてるからな。


「鈴音は学校2日間学校行って無いから久しぶりだね」

「そうだね。風邪ひいてたって言えば誤魔化せるよ」


俺が言った事に姉ちゃんが苦笑いしてた。周りを見ると姉ちゃんと俺を見てる人達が多かった。まぁ姉ちゃんは学校でも有名人だからな。声優だし美人だからな。俺もある意味有名人だけど……姉ちゃんの弟だからって理由で有名人だよ。偶に姉ちゃんの学年の人に絡まれるから大変だよ。


学校に着くと昇降口で分かれて靴を履き替えてから教室に向かった。俺が教室に入ると仲が良い奴らが「お」っと声を上げた。俺は自分の机にカバンを置いてから声を上げた奴らの所に向かった。

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