第4話 何でバレた!?

話し始めた。


「実はこんな動画を見つけてね」


スマホを操作しながらそう言った。すぐに見せたい動画を見つけたのかボクに見せてきた。序でに音夏の反応を見てみたけど恥ずかしそうにしていた。何で恥ずかしそうにしてるんだろうか?


社長が見せてきた動画はボクが声優になった切っ掛けのコスプレと同じコスプレをしている女の子がキャラの声真似をしてる動画だった。


「う~ん……確かに似てるけどもっともうちょっと頑張れないですかね?」

「うっ」


ん?ボクの言葉に音夏が反応した気がしたけど気のせいかな?その証拠に音夏を見ても特に何も反応してない様に見えるしね。それからボクが気になったのは動画でしていたコスプレ何処かで見たことある気がするんだけど何処で見たんだっけ?


「まぁそう言っちゃ駄目でしょ。特に白音ちゃんは特別なんだから」

「えーもう少し出来ると思うんだけどな~それとあのコスプレ衣装何処かで見た気がするんですけど。何処でしたっけ?」

「それより今見てもらった動画ね動画投稿サイトに投稿されてた動画なんだけど他にも色々なキャラをやってるんだ。で、このコスプレ見たことないかな?俺はあるんだよ。白音ちゃんもあるはずだよ」


?社長も見たことあるの?ボクも見たことあるって事は社長と一緒に行ったとこって事かな?因みに社長とはボクが声優になる前からのコスプレ仲間なんだ。ボクが声優になる切っ掛けのイベントでも一緒に行ってたんだ。

そんな事より確かにあのコスプレ衣装は見たことあるんだけどなぁ。何回も言ったけど。


「じゃあこれ?見たことあるんじゃないかな?」


ボクが中々思い出せないから社長が違う動画を見せてきた。そこにはこの前社長と行ったコスプレイベントの時に着たキャラと同じコスプレ衣装を着たさっきの子が写っていた。やっぱり何処かで見たことあるんだけどなぁ。


「これでも分からないのかぁ~じゃあこの前行ったイベントで着たコスプレ衣装って何処かアニメと違うところがあるって言ってなかったっけ?」

「ああ!この衣装ボクが着てたコスプレ衣装と同じですね!ってあれ?この衣装って友達と一緒に作ったから同じのがある筈ないんですけど?」


これはボクのクラスメイトでコスプレ仲間と一緒に作ったコスプレの筈なんだけど?もしかしてその友達かな?でもボクと違って男キャラのコスプレしかしないからなぁ。まぁあのコスプレ衣装はボクのだよね~って


「誰ですか!ボクのコスプレ衣装がしまってある場所を知ってるのはお兄ちゃんとお姉ちゃんと音夏だけの筈。ということはお姉ちゃんですか!」

「あ~違うよ白音お姉ちゃん。私だよ」


え?あの3人の中で声真似できるのはお姉ちゃんだけだと思ったのに音夏が動画の投稿者?それと音夏って声真似出来たの!?


「そんな事より!ボクのコスプレ衣装勝手に使わないでください!」

「え~気にするのそっちなの!?」

「まぁ分からなくないけどな。俺もそう思うかもしれない」


ボクが文句を言うと音夏は驚いて社長はボクが言ったことに頷いている。まぁコスプレやっている人じゃないと分からなかな?音夏は声真似出来たんだね。ていうか本題に入る前にこんなに時間使ったのかぁ。申し訳ない。


「さあ。やっと本題に入ろう。まぁ簡単に言うと俺はこの動画を見て声優にスカウトしようかなって思ってね。幸い白音ちゃんとイベント言ってたから誰だか分かったし」

「なるほど。まぁボクは音夏の選択に任せます」


ボクがそう言うと音夏は考え始めた。やるかやらないか悩んでるんだね。ボクとしては声優やって欲しいかな?でも多分音夏の事だからボクがさっきもう少しかなって言ったの気にしてるかな?


「ボクはやってみてもいいと思いますよ。お姉ちゃんもそう言ったんじゃないですか?」

「お、流石姉妹!よくわかってるね!」


社長がボクを揶揄ってそう言って来るけどボクは反応しない。反応したら社長の思う壺だからね。頑張って無視しなければ。イラついて今にも反応してしまいそうだよ。


「まぁ今すぐ返事貰わなくてもいいよ。家で両親とも相談しておいで」

「あの社長」

「何?」

「うちの両親はここで働いてますよね?」

「そうだったね。でも家で話した方がいいんじゃないかな?」


確かに家で話した方が音夏も良いかな?まぁ家で話す場合はボク、あんまり話に入って行けないけど。それに動画投稿も続ければ人気も出るんじゃないかな?元々動画投稿サイトのチャンネル登録者も結構いるんだからさ


その後ボクと社長は音夏が出している動画を見ていたらお姉ちゃんがアフレコ終わって社長室に来た。


「お疲れ様。お姉ちゃん」

「お疲れ様。私はこの後ラジオの仕事があるから帰れないけど白音は仕事もう無い?」


お姉ちゃんはこの後ラジオか。ボクは午後まで無いから貯まってた原画作業やろうかと思ってたんだけどなんかあるのかな?そのことをお姉ちゃんに伝えてみた。


「そっか。音夏を如何しようかと思ってさ。音夏はどうする?家に帰る?帰るなら1人で変える事になるけど?もしくは事務所の見学でもしてく?」

「事務所の見学してく!」


音夏はお姉ちゃんの提案を聞いて即答で見学と答えた。まぁ確かに気になるよね。ボクも最初は気になったもん。


「事務所の案内ならボクがやるりますよ。原画貯まってるんの少しなので」

「じゃあ白音ちゃんよろしくね」


ボクは社長の言葉に頷いて返事をした。それからお姉ちゃんと一緒に社長室を出た。出るときに社長から「明日のコスプレイベント行くよね?」って言われた。ボクは明日コスプレイベントがあるなんて知らなかったから愛華さんと約束しちゃって行けないから行かないって答えておいた。


「じゃあ白音。音夏をお願いね」

「任せてください!」


それからボクは最初に音夏をアフレコスタジオに案内した。そこでの音夏の感想は「思った通りだった」だそうだ。まぁ前にお姉ちゃんからアフレコスタジオの写真を見せてもらったことがあったと思うから知ってたんだろう。

因みにボクが案内したスタジオではアフレコ中だったので中を覗くだけだったけど途中で声優にすれ違って興奮していた。まぁボクが説明しないといけなかったから面倒だったけどね。それに音夏がサインを貰おうとしたのを必死に止めるのも大変だった。


その次は原画室に連れて行った。他にも連れて行けるけどそろそろ原画描かないと午後の仕事に間に合わないから原画室に案内した。ここにはお母さんたちが居るからお母さんたちの休憩がてらに音夏の声優の話出来るんじゃないかな?


「あ、お母さんだ」


音夏の声が聞こえたのかお母さんがボクたちの方を見た。お母さんの顔には何でいるのって書いてあった。


「私が声優やらないかってスカウトされたの」

「社長にですね」

「あら?鈴音じゃない。今は白音ちゃんだったわね」


ボクはお母さんが言ったことに驚いて声が出なかった。音夏も驚いているみたいだね。でも何でボクが鈴音だって分かったの?


「何でバレたの!?」

「口調が戻ってるわよ。私は結構前から気づいてたわよ?あなたコスプレとかしてるから簡単だったわ」


成程ね。ボクのコスプレ姿が見られてたわけか。ということはお父さんのもバレたかな?バレてたらボクは家に居られなくなるんだけど。


「気づいてるのは私だけよ。お父さんは鈍感だから全然気づいてないわ。奈音も気が付いてないわ。だから安心しなさい。あなたが思っている様なことは私はしないわ。昔にやって満足したから」

「そうですか。じゃあ黙っていてください」


ボクがそう言ったらお母さんは頷いてお父さんたちには言わないことを約束してくれた。まぁまさか前からやってたコスプレでバレるとは思わなかった。因みにお父さんは休憩中で今原画室に居なかった。

それからお母さんは休憩に入るそうだから音夏を任せてボクは原画作業を始めた。

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