第3話

そんなことはなかった。校舎から出てしばらくした所でガッツリ待ち伏せしてた。なんて暇な連中だ。しかもキレてる。完全な逆恨みだ。模範解答みたいな三流だった。


すげえ剣幕で怒鳴りつけてきて正直ビビったけど、不良の成り上がりドラマみたいに胸ぐらを掴まれた時点で思考のスイッチが入った。よくもまあ、自分よりデカい奴に掴みかったなと思った。


身体は自然に動く。


掴まれた状態で咄嗟とっさに使える技で、かつ相手の戦意を粉砕できる技は幾つかあるが、俺の脊髄は右肘の顎カチ上げを選択していた。


可哀想なことに俺の未熟さも相まって綺麗に入らなかった。身長差がありすぎて目に入ってしまったらしい。前かがみになり左目を抑える。


右手が離れた。


ちょうどいい位置に頭がある。

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