〇八月、其の十三 【サンダル】


『サンダルの 靴擦れ痛む ラッシュ時』



季語/サンダル

季節/晩夏ばんか

場所/電車の中(多分)

時間/朝


捕捉・備考/

 朝山あさやまなのさんとのTwitterでのやり取りで浮かびました。これは妄想と言う部類なので【空想】に入れようか迷いましたが、友達との会話の中で浮かんだイメージなら、相手方の情景を写生しているということになり、【写生】として扱ってもいいのではと思い、この分類にしました。

 

 さて、ここからは妄想です。

 ——ある朝のことです。彼女は最近買ったばかりのサンダルを履いて出勤しました。その日はいつもより急いでいました。なぜなら履きなれない靴のせいでなかなか歩くスピードが上がらなかったからです。腕時計を見やり、歩調を変えて走り出しました。

 駅の改札でいったん速度を落とし、suicaをタッチしてくぐった途端、また走ります。息を切らしながらなんとか電車に乗って、ため息を吐き、汗だくの体に冷房の風を感じます。

 涼しいな。間に合って良かったな。

 そう思い、安心していると足に違和感。

 その違和感は次第に大きくなり、痛みとなって彼女を襲いました。

 早速靴擦れをしてしまったようです。


 がむしゃらになっている時は、なかなか感じないのですが、ふぅっと人心地が付いた時に急に痛み出す時ってありますよね。

 そんな日常の風景を切り取って詠み上げ、前段階を妄想して書き足しました。


 改めまして朝山なのさん、カクヨムへの投稿許可を下さり、ありがとうございました!

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