〇五月、其の〇三 【菖蒲】


『陽だまりの 水面みなもに揺れる 菖蒲しょうぶかな』



季語/菖蒲

季節/仲夏

場所/三四郎池(東大敷地内)

時間/昼下がり


捕捉・備考/

 またも三四郎池です。そこに咲いていたのは黄菖蒲きしょうぶでした。「黄菖蒲や」で始まる句も考えましたが、「菖蒲かな」の終わりの方がまとまりが良い気がしたので、こうなりました。

 三四郎池の周りには木々が生い茂っていて、昼下がりに日が当たっているのは池だけです。そこを陽だまりと表現しました。

 その陽だまりに黄菖蒲が立っていて、ほぼ凪の状態で水面は鏡のように反射しています。そよ風が吹いて、菖蒲の花弁がゆらっと揺れますが、水面は穏やかなままで、その揺れた様だけを映していました。

 この穏やかさを表現したい。そう思い詠みました。

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