第4話 闇 四
そして、そんな状況は、中学、高校生になっても、対して変わらなかった。
ここからは、僕が高校時代の話である。
ある朝僕が高校に登校すると、そこには本来茶色であるはずの机が、墨汁か何かで真っ黒に塗られていた。
これでは本に墨汁がついてしまうので、机は使えないな、僕が冷静にそう考えていると、
(この頃僕は、中学時代も含め今まで散々いじめられてきたので、少しイレギュラーなことが起こっても動じないようになっていた。)
「あれ~、和男君、机は使わないのかな~?」
そんな声が聞こえてきた。
ちなみに声の主は、足立(あだち)という。足立はクラスの中でも運動が得意な男子で、明るく活発、そして目立つタイプの存在だ。
また、その足立は身長も高く、180cmを軽く超える高さから僕を見下ろす。
そしてそんな爽やかに見える足立も、こんなことをするのかとまた冷静に考えていると、
「おい和男!無視すんのか!?」
彼の口から怒鳴り声が出て来た。
それで僕は仕方なく、
「でも、墨汁がつくから使えないじゃん。」
というと、
「何言ってんの?闇属性の和男の本が黒くなるなんて、ピッタリじゃね?」
そうおどけた足立はクラスの一部の人間から笑いをとる。(残りの人間は、ただこの状況を傍観している…これは中学時代も含め、今まで何度も経験して来た図式だ。)
それを僕がまた無視していると、
「また無視かよ!」
やっぱり怒号がとんでくる。
仕方ないので僕は、
「あの…僕は闇属性だから、足立君を不幸にできなくはない…と思うけど。」
そういうと足立の顔は少し怯えるような表情になり、
「ま、俺には関係ねえけど。」
と引き下がり、その場は終えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます