第6話 感想を欲しがらないために
小説を書いていて、もっともうれしいこととはなんでしょう?
それは読者の方から感想をいただくことです。
Webに小説を晒しはじめて、そろそろ四年になろうとしていますが、最初の小説に感想をもらった時の感激と興奮はいまでも忘れられません。
ただ、感想やコメントは、書き手が望むようなものばかりが届くわけではありません。
「おや」と感じる的外れなもの、「ひどい」と感じる辛辣なダメ出し、「これはあかんやろ」と腹がたつ暴言の類、と私の小説のコメント欄はカオスな状態――まるで戦場のよう、になりがちです。私に限らずコメント欄が荒れる作家さんはたくさんいますね。
カクヨムの話じゃないですよ。某サイト。
ここはカオスとは無縁。Web作家の神経を逆なでするような書き込みはすぐに削除できる清潔な投稿サイトですから。
むしろ清潔すぎる。
読者の胸の中には、「ここをもっとこうしたらよくなるのに」とか「あそこはダメ、削った方がいい」という思いがあるはずなのに、作者へ向けてコメントを残すということは、ほとんどありませんよね。
そんなことをするよりは別の小説に流れていってしまう。
Web作家にダメ出しするなんて面倒なことしない。親切でしたことで逆恨みされても困るしね――なんて読者の心の声が聞こえてきそう。
ただ、耳ざわりの良いレビューやコメントばかりが目立つカクヨムは書き手にとって居心地はいいですが、小説を書く上での気づきの少ない投稿サイトでもある。少なくとも私は、カクヨムのコメントで「勉強になった」という例は皆無ですね。
良薬は口に苦し
というじゃないですか。それに――
グサッとくる指摘は図星だから
ですよね。
私も含めて、みんな自分に足りないところは分かっているんです。それを気づかないふりをして――自分をごまかして、一丁前の小説家気取りで小説を晒しているんですよね。
そのことを気づかせてくれるコメントというのは貴重です。
「グサッときた! ああ、やっぱりそうなんだ。もしかしたら、ごまかせるかもしれないと思ってカクヨムにアップしたけど、読んだ人には分かってしまうんだ……、今度からは気をつけよう」
そう思わせてくれるコメントがほしい!なんてのはないものねだりなんでしょうか。
えっ。
コメントはおろか、そもそも読まれない?
たしかにそうだなあ……。
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