第5話 最高の読者「私」
私は、自分の小説に惚れています。
いつまでも惚れたままでいられるとは思わないけれど、いまは大好きで、我ながらとても面白い小説だと思っています。
というか、面白いと思えなくなったら、その時点でカクヨムから消していっています。
自由に小説を書いている人は、「自分が読みたいのに、誰も書いてくれない小説」を自分で書いてしまう人のことだと私は考えていて、当然、自作はものすごく面白い(書いた人自身にとってですよ、もちろん)小説になるのが当たり前だとも思っています。
ひるがえっていうと、自分で「面白い」と思えない自作の小説は、人に読ませるものじゃあない。だって、一番楽しめるはずの自分が楽しめないんじゃ、面白い小説なわけがないじゃないですか。
他人はともかく、自分はとても面白いと思える小説――というのが、最低限度の小説としてのハードルだと思うのですがどうでしょう。
カクヨムには、★が三桁も四桁あって、PVが毎日何百にも達し、画面スクロールが疲れるくらいレビューが集まる小説もあります。
正直、とてもうらやましいと感じますし、自分の小説が同じように評価されるようにならないかなと夢を見ることもあります。
そうした小説の亜流を書いてみたこともあります。ただ、その結果は自分で自分を傷つけただけでした。
そうなんです。書きたくもない小説のマネを中途半端にしたところで、PVが集まるわけないじゃあないですか。逆に、自分で自分を裏切った感覚だけが残って、早々にその小説を削除するのです。
だから、私は自分にとって「面白い」と思える小説だけを、カクヨムには上げる(残す)ことにしました。
そりゃあ、足りない部分や稚拙な箇所はありますが、それを差し引いても「やっぱり面白い」「私にしか書けない」と自分なりに感じる小説はあるものです。
だから、★から見放されようが、PVが来まいが、そのことで私が傷つくことはありません。自分にとって面白いことは、誰にも否定しようがないですから。
そして、この小説たちこそ、折れることのない私の『芯』となるんだと、信じて私は小説をカクヨムにさらし続けているのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます