第2話 だれに読んでもらうのか
ラブレターを書いたことはありますか?
ある人もない人も、『ラブレター』というものが、特定の異性(多くの場合、異性だ)に宛てて、自分の気持ちを伝えようとする意図で書かれるものだということは説明するまでもないことと思います。
これこれこういう理由であなたのことが好きになりました。ぼく(もしくは、わたし)と付き合ってください――みたいな。
そして実際、ラブレターがきっかけで付き合うことになることもあるのでしょう。ありますよね、きっと。
小説もラブレターと同じです。
特定の人を対象に書いた方がよりよいものが書けますし、受け入れられやすくなります。
「小説はターゲットとなる読者を意識して書きましょう」と小説ハウツー本や小説の書き方指南サイトによく書かれているセオリーです。
たとえばカクヨムでPVを稼ごうとすると、読者層が比較的若くて(単に私の印象です)、いわゆるファンタジー(!)が受けるようなので、10代後半から20代前半の若者をターゲットにファンタジーを書けばいい――ということになるのですが、すでに中高年の域に達している私のような人にとっては、それってとても不自由なことですよね。
だから、私の書く小説は同年代の人を読者に想定しています。この文章だってそうです。おじさんがおじさんに向けて書いている創作論といっていい。
文章には、書き手のひととなりが表れるといいます。
無理して書いていると、「あ、無理して表現に凝ったな」というのが読者に伝わりますし、媚びた文章を書くと、「ウケ狙いの小説かよ、みっともねえな」と見透かされます。
書き手にはそれぞれ自然な書き方というのがあるので、ウケを狙うにしても、そこからあまり逸れすぎないような文章に心がけた方がよいと思います。
ラブレターとの関連に戻ると、小説は具体的に「◯◯さんに、私の小説を読んでもらいたい」とイメージして書いた方が、文章に芯が通ってぶれない小説になります。友人でもいいし、家族でもいい、公募に出すなら尊敬する選考委員でいいでしょう。
あなたにわたしの小説を届けたい――という熱意が小説に変わるのです。
PVが増える、増えないとはまた別の話として、届けたい人には、きっと届きます。
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