第15話 キング・オブ・スポーツ1
「キング・オブ・スポーツ」
あなたは知っているだろうか? スポーツの王といわれるスポーツを。
「私は、2020東京オリンピックに出場したい!」
しかし、どの競技も飽和状態で先駆者がひしめいていて、過酷な日本代表選考のサバイバルゲームが待っている。
「見つけた! 私だけのスポーツ!」
私は東京オリンピックに出場することができるかもしれないスポーツを見つけた。その種目に青春を捧げる乙女の物語である。
「先生、新しい部活を作りたいんですが?」
私の名前は無知萌々。何が何でも東京オリンピックに出場したい16才の女の子。そのために、私は職員室の担任の先生に、新しい部活動を作りたいと言いに来た。
「無知さん、何部を作るんですか?」
「近代五種部です!」
静まり返る職員室。箸や鉛筆を落とす教師たち。教室の届けるノートや、巨人の標本を床に落とす生徒たち。かつらが飛ぶ校長先生。一瞬だが、職員室の時間が止まった。
「あ、あなた!? 近代五種がどんなスポーツなのか知ってるの!?」
「はい! もちろん、知りません!」
思いついただけの私が知っている訳がなかった。近代五種とは何ぞや? 職員室にいる人間は、全員ズッコケた。
「私も知りません。」
職員室にいる人間は2度ズッコケた。私もズッコケた。
「近代五種って何だろう?」
「無知さん、それを調べてから、もう一度来なさい。」
「はい。」
こうして私は職員室から追い出された。
「近代五種とはなんぞや!?」
私はネットで検索してみた。
近代五種競技(きんだいごしゅきょうぎ、英語: modern pentathlon)は、1人で射撃・フェンシング・水泳・馬術・ランニングの5競技をこなし、順位を決める複合競技のことである。
19世紀、ナポレオン時代のフランスで、敵陣を突っ切って自軍まで戦果を報告することを命令されたフランスの騎兵将校が、馬で敵陣に乗り込み(馬術)、途中の敵を銃と剣で討ち倒し(射撃・フェンシング)、川を泳いで渡り(水泳)、丘を越えて走りぬけた(ランニング / クロスカントリー)、という故事を元に、近代オリンピックの創立者であるクーベルタン男爵が古代ギリシアで行われていた古代五種(レスリング・円盤投・やり投・走幅跳・短距離走)になぞらえた近代五種として競技化を提案したのが始まりと言われる。1912年の第5回ストックホルムオリンピックにおいて種目に採用された。(ウキペディアより。)
「おお!? 近代五種とは、貴族のスポーツだったのか!? 騎士だ! 騎士のスポーツに違いない! 仮想軍隊のスポーツだ! 面白い! 燃えてきたぞ! 近代五種で東京オリンピックに出場してやる!」
私は近代五種を知り、目標も定まった。
つづく。
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