第12話 世の中摩訶不思議アドベンチャー 2
グーグーお昼寝してたのが、約1時間程前。
只今は宿屋の部屋に居ります。
部屋にはシンプルなベッドと窓が一つ、それからベッド横のサイドテーブルにオイルランプが一つ、それからテーブルと椅子が二脚のスッキリした感じ。
トイレ・お風呂は外で、側には旅人が洗濯も出来る様に洗い場も設置されていた。
因みに、お部屋はゼノスさんと一緒です。
全くもって文句はありませんよ!
とは言いたいのだが・・・ムリ!!
今日出会って、ちょっとお話した男性と二人っきりなんて!
それでなくても、誰かと一緒の部屋になる事すら久しぶりなのに・・・。
ムリだけど、文句言ったら後がないのだけは良くわかる。
文句は言わないよ!心の中では言うけどね!
それはさて置き、この村は実は街だった。
ゼノスさん曰く大きな街道沿いにはこう言った大小様々な街があり、道行く人の休憩所としての役割も果たしているそうだ。
この街は特に、王都に近いので街としてはかなり大きい。
草原で見えていた感じだと街と言った感じには見えなかったのだが、この街はなだらかな坂の途中にあるので、一部分だけが見えていたみたい。
でまぁ、着くなり直ぐにこの部屋に連れて来られました・・・。
誰も居なくて、滅多に人が通らない草原で人目に付くといけないからって帽子までしてたぐらいだから、街みたいな不特定多数の人に見られるような場所では仕方がないか。
観光とかちょっとしてみたかったなぁ~。
残念!
・・・どこかのお笑い芸人を思い出すぜ。
で、現在なのですが私、部屋に一人なんですよ。
ゼノスさんはご飯を調達しに行ってくれてます。
ご飯・・・御昼同様にあまり期待しないでおこう。
暫く経ったら、トレイに湯気が立つスープとパン、それからカットした果物を持ったゼノスさんが帰ってきた。
で、やっぱりご飯は期待できませんでした・・・。
スープは肉団子と野菜がたっぷり入った物で、パンは出来立てとはいかないが固くはなくて、まぁまぁ美味しい。
果物はリンゴかな?
シャキシャキしてみずみずしい。
この中では、ダントツで果物の圧勝!
もぐもぐとゼノスさんと一緒の食事を食べる。そう言えば、転生してから初めて誰かと一緒の食事だぁ。
今日初めて出会った男性とだとは・・・。
食事が終わった後は、明日の予定確認をすることになりました。
「明日は此処を昼前に出発して、夕方には次の街に着けと思います。朝食を部屋で摂ったら、昼食の買い出しをするのを兼ねてお金の使い方を覚えて貰います」
「買い物・・・外に出て大丈夫ですか?私は目立つので・・・」
内心やったぁぁぁ!!とガッツポーズしたいところだが、こんだけ目立つな目立つな言われといて、市街地に行けますよ?とか言われて警戒しないバカが居るのか?私が該当すると思ってんの?頭足りない子じゃないんだよ?ゼノス君。
若干の心の機敏を感じ取ったのか、ゼノスさんがちょっと焦ってる。
「確かに目立ちますので、こちらを使って貰います」
取り出したのは、鬘と眼鏡。
鬘はこの世界の一般的な色の茶色。
眼鏡は銀のフレームをした物。
全体的に見て“フツー”と言われる物ですな。
まぁ取り敢えず、コレを付けて明日は街が歩けるなら良い事ですな。
では、明日に備えて寝ましょ~。
あっお風呂は入れなかったので、体を拭くだけでした・・・。
残念!!
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