第20話 ぐふふ! 推しと推しとの共演!!・続

 連想ゲームはその後も2人の息が合わなかった。それを見かねたスタッフから最終問題正解で五ポイント獲得制度が言い渡された。しかし、最後まで2人の息は合わず全問不正解で豪華景品は水の泡となった。視聴者の悲鳴が画面上を

埋めた。そして再び拓央とさくらの不仲説が浮上する。それに対し2人が不仲説を否定する。

「そんなことないですよー!」

「めっちゃ仲いいからね!結果こんなんだったけど」

「ちょっと桜之宮さんの発想が斜め上過ぎた」

「そうかなー?」

 流石にさくらを擁護できなかった。確かに発想が斜め上である。昔からそのような傾向はあった。しかし、拓央の奇妙、、ではなくユーモア溢れるイラストも擁護できなかった。

「でもね! でもね! 拓央君のイラストも擁護できないでしょ?」

「可愛いじゃないですかー!」

 このやり取りが更に不仲と言われる原因になる。そのたびに2人が不仲説を否定する。

「アフレコ現場はめっちゃ和気あいあいとしているよ!」

「一応ね、ラブコメですから」

拓央とさくらの息は合わず、ツキッターでは原作者が落胆していたが、かなりの盛り上がりを見せていた。原作者がツキッターで落胆していることが視聴者からコメントで2人に知らされる。拓央の謝罪とさくらの鋭いツッコミで画面上に「www」と草が生える。

「雨先生ごめんなさーい」

「というか、先生も豪華賞品欲しかったんだ」

 また、落胆している原作者を励ますコメントも流れ始める。原作者は「ありがとうございます」とリアルタイムでつぶやいている。きっと今までで1番たくさんの人に励まされたんじゃなかろうか。

 ここからは拓央とさくらが流れてくるコメントを拾い、返答していく。まずはさくらから。

「『さくらさんと拓央君の投げキッスが拝めて嬉しい』、ありがとう!投げキッスの安売り」

そう言って再びさくらは投げキッス、更にはウィンクし、めちゃくちゃ照れて机に顔を伏せる。さくらファンは息していない勢と「フ――――――!!!」と盛り上がる勢に分かれた。

次に拓央がコメントを拾い、返答する。

「『拓央君とさくらさんの合ってない息が面白い』だって。息合わせていこうね」

「はーい! と、ここで今後の告知です!」

 急な告知コーナーが始まる。どうやらさくらは台本無視しているっぽく拓央も少し困惑している様子が伺える。どこまでも自由人だなー、おい。

「こんな2人ですが何とラジオをします!」

「な、なんだってー!?」

「タイトルは『ラジオでもラブコメ!? アゲアゲ! ラジオ』です。拓央君、息合わせていこうね。」

「いや、さくらさんが頑張ってください」

「なんでよー。一緒に頑張ろう! ね?」

 ラジオはインターネット配信されるとのこと。ファンの歓喜のコメントが流れる。いや~、だって面白かったしね? 独特な2人が一緒に番組を作り上げることは混ぜるなキケンが混ざり合ったようで面白かった。

 拓央が告知の進行をしていく。

「次の告知いきますよ」

「はーい!」

OPテーマとEDテーマの告知、アニメ化記念イベント開催決定などファンにとっては嬉しい情報が盛りだくさん。そしてEDテーマの告知からEDテーマがBGMとして流れている。EDテーマはヒロインたちが歌うポップでキュートな曲だ。EDもOPに負けず劣らず好評である。そしてEDについてDが触れる。

「EDめっちゃ可愛くないですか? ヒロインみんなで歌ってるんですよ! 私この曲大好き」

「EDキタ――――――!!! めっちゃ可愛いです。もうヒロインみんな愛おしいですからね!」

「でしょ?」

 さくらの腹立つやら、可愛いやらなドヤ顔が目に焼き付く。

 時間が押しているのかスタッフからの指示があったようで、焦り始める2人の様子が伺える。そしてアニメ放送について一言ずつ拓央からコメントする。

「改めて晴夫役の芦原拓央です。僕も原作ファンで待望のアニメ化です。原作ファンの期待を裏切らない作品となっております。また、原作を読んでいない方も十二分に楽しめる内容となっております。是非4月の新生活のお供によろしくお願いします。では、美雨役の桜之宮さくらさんどうぞ!」

「改めまして美雨役の桜之宮さくらです。大人気作品のメインヒロインという大抜擢で不安もありましたが、何よりファンの皆様の温かいコメントに勇気をもらえました。皆様に更に愛される作品になっていけるようスタッフ一同仲良く、和気あいあいと頑張っていこうと思います。あと、拓央君のファンの皆様! 私の名前だけでも覚えてください! 桜之宮さくらですよ! 桜之宮さくら!! よろしくお願いします。本日はありがとうございましたー」

 もはや一言どころではない長いコメントがいただけたところで視聴者からも温かいコメントがたくさん寄せられる。

 そして拓央君が締めにかかる。

「それではみなさんまたアニメ、ラジオ、イベントでお会いしましょう!」

 最後は2人息を合わせて手を振りながら言う。

「「ばっ、いば~」」

 言いかけたところで急に収録スタジオから「放送は終了しました。ご視聴ありがとうございました」の画面に切り替わる。若干尺が足りなかったようで時間が強制的に放送を終了させてしまった。完全に放送事故である。コメントも「放送事故www」や「最後せっかく息ぴったりだったのに……」などのコメントが流れる。何となく収集つかないだろうなとは思っていたが、こんな終わりを迎えるとは……。

 最後に番組の評価をアンケート調査される。しばらくすると結果が出る。その間に「乙」や番組の感想など様々なコメントが流れる。

集計が終了し、結果が出る。結果はかなりの高評価で私も大満足である。

これからのコンテンツ展開が楽しみな作品の1つである。



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