第6話 汽者
「そうなんですね」
記者は汽車のようであった。頭からもくもくと水蒸気をあげながら、黙々とメモをしている。
「インタビューは以上になります」
記者はその場を後にしたが、妙に引っかかる事がある。そう、この記者はこの事件の目撃者でもあったのだ。
「犯人は毒を希釈したはずだが、一体どこでしたのだろうか」
記者は帰社したあとも、熱心にそのことばかり考えていた。
証拠を整理していくと、坂木写真館でアルバイトをしている、冠城釈迦が怪しいと睨んだ。
記者は早速、夜汽車に飛び乗り、冠城がどのような手口で反抗に及んだかを考えた。
250字の物語 Lie街 @keionrenmaro
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