第45話 人嫌い ⑩

孤独を愛してやまなかった僕は今彼女を探している。

彼女の名前は國枝 美優子。その名前を聞く度に、あの日つかれた悪態を今でもよく覚えている。

(あ、私、あんた嫌いだわ。うん。)

その瞬間からきっと僕はあなたが気になっていたんだ。初めて誰かを好きになり始めていたんだ。

初めて嫌われた相手が初恋の相手になるなんて思ってもいなかったのに。僕の心臓は裂けそうな程に脈を打つ。

「国枝さん!」

「お、よく来たね少年」

「僕やっぱり…!」

「分かってるよ。さぁ行こう」

彼女は僕の手を握って軽くキスをした。僕の言葉を聞くよりも先に。

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