第9話 溶ける世界

この世界はダラダラと溶けだしてしまう。

(本日は晴天なり)

その声が溶けだす合図。

「ほら、速く行くよ!」


「ちょっと待ってよ!」

合図と共に皆は一斉に走り出す、さながら徒競走のように。

耐熱性のある不思議な建物に人々は駆け込み、そこで一夜を過ごす。


(本日は曇り空なり)

翌朝目を覚ますと、友人とともに建物の外に出た。

街の色は混ざり合ってレインボーカラーになり、ダラダラと流れ出していた、アスファルトももはや原型を留めておらず白線も止まれもどこかへ流れていってしまっていた。


「ついに、ここまで来てしまったか。」

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