第8話 ベランダとタバコと彼

私は煙草を数年前から吸っている。理由はない、強いて言うなら好きな歌手が吸っていたから。


月明かりがベランダを照らしていて、月を見上げながら煙草を吸う私を嘲笑してるようだった。


私は一人暮らしだから部屋で煙草を吸ってもなんの問題もないけど、煙草が苦手な元彼と10年も一緒にいたから癖が抜けない。



私は現状を付箋に書いてペタペタと貼り付けてみたが、どうも悲劇のヒロインのようで気に食わない。「お前がそんなたまかよ」と彼だったらきっとそう言うだろう。そして、笑う時に目が細くなるのを私は眺めるのだ。忘れれない。

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