第2話 波打ち際ホテル
入水自殺をしようと思った。
美しい海と果てしなく続く水平線、私は海とひとつになり水平線をなぞりたかった。
波打ち際まで来て、靴とその上に遺書と潮風に飛ばないように石を乗っけて、右足をつけた。その刹那、後ろから声が聞こえた。
「自殺なさる前に、1泊どうですか?」
ドキッとして振り向くと、スーツを着た女の人が両手を揃えてこちらを向いて立っていた。
「誰…ですか?」
狼狽えを隠せない私にスーツ姿の女の人は言った。
「波打ち際ホテルの案内人役、入江 海子と申します。」
謙虚な微笑を浮かべ軽くお辞儀をしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます