第4話 協力者

さて、協力するとは言ったもののどうしようか、、、もちろん俺たち2人でやろうとなると結構難しい。具体的に何がしたいのかを決めなくては、、、

「まず、何をしたいかだが、、、」

そりゃそうだ。だってまだ何も決めていない状態なんだ。それにこのことをほか2人に話す必要があるかもしれない。もしかしたらもう帰って来れないなんてこともあるかもだしな。どちらにせよ俺のことは話さないといけない。

「楓、このことあの二人に言えるか?」

俺が問うと、

「え、いや、、、どうだろう、、、」

これは無理そうだ。まあ1人で2人を納得させるのも無理がある。じゃあこうするしかなくね?

「分かった。じゃあ俺は雷、楓は和泉にこのことを話せ。分かったか?」

「、、、分かった。」

楓は小さい声で言った。

「それじゃあ、今週中には言おう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

子供の頃から人を信じられなかった。

みんな見た目で気持ち悪がる。

俺の目は生まれつき緑色だった。

こんな目を持ってさらに能力者として生まれた。

こんな誰のためにもなれない能力なんて無くなればいい。

そう思い自分を呪いながら生きていた。

子供なんだから自分で死ぬなんて発想なかったのだろう。

母親は俺が能力者だということを気味悪がっていた。

父親も子供の俺を気持ち悪いと言った。

俺が生まれてから母親と父親はお前のせいでこんなのが生まれたとか、あんたがひん曲がった性格だからこんな化け物が生まれたとか言って中も悪くなった。

次第に父親の方から出ていった。その時からそんな自分が嫌いになった。

たまに優しくしてくれる人もいたが、その人は近所でハブられたりして次第に引っ越して行った。

小学校は母親が能力者の学校なんて学費が高いからとか言って普通の学校に行かせられた。

近所の人も通っている学校なんだ。

そりゃ噂になるさ。俺は小学校で酷いいじめを受けた。化け物だとか、人間じゃないだとか、人外は学校来るなとか言われたりして上履きを隠されたり放課後に殴られたり。

まだ子供の俺は能力を上手く使えない、その事でもいじめられた。

中学生になってもいじめは止まなかった。むしろ小学生の頃より酷くなっていく、金をたかられたり、無視されたり机に落書きをされたり、悪口なんて日常茶飯事だった。

でも1人だけ助けてくれた人がいた。その人は優しく、いつも俺のとこにみんなに内緒で来て、いつも助けられなくてごめん。でも君の味方はちゃんといるから、負けないで!

いつか絶対に救われるから。って言っていた。あの言葉は今でも覚えてる。だが、クラスのいじめっ子にそれがバレた。

ある日俺とその子が話していると、いじめっ子が乗り込んできて、その子を殴ったり蹴ったりしていた。そこで俺の中の何かがプツリと切れた自然と手に力が入り床に魔法陣が描かれ、木が生えてきた。

きずけば、いじめっ子たちは目の前て横たわっていた。死んではいないが、ほとんどが重症で、中には全身複雑骨折のやつもいた。

おかげで学校を移動することになる。高校に入ると強制的に能力者支援学校に行かせられた。

だがそっちのほうがよかったかもしれない。『もう誰も信じない』そう思って決めていたのに、先生やみんなに出会って仲良くなって、俺はようやく幸せになれたと思っていた。

あの日までは、、、

先生はきっとデスペアは倒せないと悟ったのだろう。『ま━━━━━━━━』周りの雑音でその人の言葉は全く聞こえない。そのままあの人は死んで行った。その時に第二の目を手に入れた。これで絶対にあの人を救わないと、

そう思っていた。




別の世界線の先生に言われた通り、和泉にこのことを言いに行くことにした。いつまでもあの人に頼っちゃダメだってのは分かっているが、自分では何をすればいいのか分からない。

とにかく和泉にこのことを言おう。

俺は和泉を放課後、校舎裏に呼び出した。教室だと雷に聞かれる可能性がある。

「ほら、来たよ。なんか用?」

和泉が来た。

「ごめん。こんな放課後に。」

「いや別にいいけど。」

和泉は暗い声で言う。

だがへこんでる暇はない。この要件を言わないと。

「あ、えっと、先生、いるじゃん?」

「いるな」

「その、違和感とか感じない?」

和泉が不思議そうな顔をする。

「はぁ?お前何言ってんの?」

「ご、ごめん。でも今はとりあえず俺の話を聞いてくれ。」

「はぁ、わかったよ。」

言いずらい。そうなるとは思っていたがそれ以上だ。その時、俺のとある記憶が脳裏をよぎった。

「そうだ、あの場所なら

、、ちょっとこっち来て!」

そう言い俺は和泉の手を引っ張った。

「は?お前、ちょまっ!」

俺は校舎裏に行き立ち入り禁止と書いてあるテープをくぐり抜け先へ進んだ。すると、

「着いた、、、」

目の前には先生の墓がある。死んだ時、何故か遺体はなかったのでなにも入ってない。

「これは、、、」

和泉が言う。

「これは、先生の墓だ。」

「何言ってんのお前、いじめ?」

違うそういう意味じゃないんだ。

「先生が死んでいるってこと。お前に全て話す必要がある。」

和泉はまだ状況が飲み込めていないようだ。

「わかった。内緒事はなしだからな。」

「わかった。」

俺は和泉に全てを話した。

「はあ?なんだよそれ、、、!」

「今行った通り、なんだよ、、、」

「、、、、、、、」

「確かに、受け止めずらいかもしれない。でも事実なんだよ。先生は死んだんだ。」

「、、、確かにおかしいとは思ってた。」

和泉は小さい声で言った。

「最近の先生は昔となにかが違った。昔のあの人はもっと冷たい目をしてた。」

「分かってくれた?」

「、、、それでお前はなんでそれを今言いに来た?」

「俺は過去に行って先生にあいにいく。」

「!?」

和泉は驚いていた。そして、、、

「ダメだ!お前、自分が何をしようとしてるのか分かってるのか!?」

否定をしてきた。

「え、、、?なんで?」

「そんなことが出来たとするなら、お前は歴史を変えることになる。今のようにこの街が残るかどうかも分からない!俺もお前も死んでしまうかもしれない!」


「心配するな。何も先生を助けるとは言っていない。実は先生が消える前、あの人なんか言ってたんだ。俺はそれが知りたい。」

和泉は。

「、、、わかった。じゃあ代わりに俺を連れていけ。お前、助けに行くって魔法具買って過去に行くつもりだろ。時間移動の魔法道具は高すぎるから俺が着いてってやる。」

「え、いいの?命がけだよ?死ぬかもしれないよ?」

すると和泉は

「ただし、俺も一つだけ行きたいところがある。」

「それは?」

「10月4日だ。この日がなんの日か分かるか?」

「その日は、、、悪魔が襲いに来た日?」

「そうだ。その日、たくさんの仲間が死んだ。俺の幼なじみの優衣もな、、、」

「お前の第2の目が出たのはそういう事だったのか。その人を助けたいの?」

「いや違う。助けたいのは確かにある。だがな、あの戦いが終わったあと優衣のところにいったら、死体が無くなってたんだ。」

深刻そうな顔で和泉が言う。

「死体が無くなっていた?なんで?」

「分からない。だから俺は優衣がどこに行ってしまったのか知りたい。その日に飛んていいのなら俺も着いていく。」

「わかった。じゃああとは先生が雷を説得させてるはずだ。教室に戻ろう。」






続く

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