第3話 真実
「、、、」
俺は今自分の墓の前にいる。
自分と言っても別の世界線の俺の墓だ。
どうやら楓は俺のことを知っているようだな。知らなかったらなんでこんなとこに来たんだってなるし。
「明日楓と話してみるか、、、」
家に帰り俺は考える。楓はなぜ俺にこのことを隠したのか。俺をこの世界に呼び寄せたのは楓なのか、、、
ダメだ。考えても全然わからん。俺をこの世界に呼び寄せたのが楓だとしても理由が見つからない。まずなんで俺にこのことを隠しているんだ?なにかまずいことでもあるのか?
、、、もう今日は寝よう。明日の俺に全て任せよう。
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次の日、朝一番に学校に行く。俺のいた世界線では楓はいっつも遅く来てたからこの世界では結構早く来てたりするかも。と思いながら待っていた。
予想的中、あいつは1番最初に来た。
「おはよう!」
俺がそう言うと、楓は
「、、、おはようごさまいます。」
そう静かに返した。
「、、、、、、、、、、」
無口と先生だとこうなるのか、、、
向こうから話す気はなさそうだ。これは俺から話題を切り出すしかない。
「お前来るの早いな。」
「うん、まあ、」
「、、、」
やばい、ネタが尽きる。
これは本題に入った方が良さそうだ。
「そういえばお前きの━━」
「おはようございまーす!」
雷が入ってきた。くそっ!タイミングを逃した!次のいつ話せるのかもわからない。これは先が長いぞ。
そのあと和泉も来て授業を開始した。まあこの日は時に変わったことも無く。また重苦しい空気になって終わった。
昨日の墓の所に行って何かないかと探してる時、教室にスマホを置いてきたことに気づいた。取りに行くと、
「あ、、、」そこには楓もいた。あいつも忘れ物をしたようだ。
「お、楓じゃん。」
「あ、え、はい、じゃあ、また明日。」
この世界の楓、ほんとに無口だな。楓とは思えないくらい。
「待って!」
楓を呼び止める。
「、、、なんですか?」
楓が言う。
「少しか話したいことがある。席に座って。」
そう言うと、割とあっさり座ってくれた。
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「昨日の放課後、お前が校舎裏に入っていくところを見た。」
そう言うと
「え、、、」
「そこで俺の墓を見た。」
「、、、」
「俺をこの世界に呼び寄せたのはお前か?」
「、、、」
楓は無言のまんま頷いた。
「聞きたいことが3つある。1つ目はなぜこのことを雷や和泉は覚えてないのか。2つ目はなぜ俺をこの世界に呼び寄せたのか、3つ目はどうやって俺を呼び寄せたのか。教えて欲しい。」
「、、、、、5ヶ月くらい前の事だった。」
楓は話し始めた。
「俺と火星也さんはよく話してて街中のモンスターを一緒に倒したり、遊びに行ったり、とにかく他の人より仲がよかった。」
その時は楽しそうに話してた。
「そんなある日だった。」
そう言った瞬間楓の表情が暗くなる。
「俺たちの所にとある町の悪魔を排除してくれと政府からの命令が来た。火星也さんはもう既に第二の目を解放してた。その時、俺たちにどんな能力なのかを教えてくれなかった。悪魔と戦って、仲間がいっぱい死んで、和泉が第二の目を解放して、その時は色々あった。」
「そのあと悪魔のボスであるドラゴンが街を襲いに来た。そいつは別格で、全く歯が立たない。その時にドラゴンの大魔法で和泉と雷は気を失ってしまった。さっきあんたが死んだこと覚えてないって言ってただろ?それは覚えてないんじゃなくて、知らないんだ。なにがおこったのかも分からないから。」
「俺もだいぶやばくなってきた時、火星也さんが第二の目を使うとか言っていた。その時どんな能力なのかを初めて教えてくれた。
相手を消し去る能力だって。その代わり、使う魔力の数は膨大で、相手の強さで量が変わるんだ。」
「それを、そのドラゴンに使った、ということか。」
楓は頷く。
「あの人は俺の前で第二の目を使った。技を使いながらあの人は何か言ってた。だけど周りがうるさくて何も聞こえなかったよ。その時、左目に物凄い痛みが出てきて、そのあまりの痛さに気絶してしまった。目覚めた時には、もう既に病院だった。和泉や雷も、その時、自分が第二の目を解放したことを知った。名前は「Worldlinemovement」世界線を自由に移動できる能力。その能力を使って、俺はあんたをこの世界に呼び出し、そして現在に至る。」
「それで、なぜ俺をこの世界に?」
「教えて欲しかった。あの人が最後に何を言ったのかを。この能力なら知ることができるかもしれない。」
「でもさ、俺がこの世界に来てなかった間、あいつらをどう誤魔化してたの?」
「火星也さんの部屋に入ったら火星也さんの人形体が置いてあった。その間その人形に先生になってもらってた。おそらく火星也さんは死ぬって分かってたんだ。だから代わりの人形を用意した、、、」
「なるほどね、だいたい分かった。で、これからどうするんだ?」
「何とか、火星也さんを救う方法を見つけたい。駄目だったとしても、せめてあの人が俺たちに何を言い残したのかを知りたい。」
「、、、そうか。」
俺は頷き
「じゃあ早速やるか!」
そう決意した。
続く
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