エル

 ペンネームは、『エル』にした。

 なんとなく思いついた言葉の響きだったけれど、一応調べてみたら、『神様』、みたいな意味があって驚いた。だいそれた感じがして、一瞬、つかうことをためらったけれど、なんとなく虚勢を張る意味でもいいかもしれないと、そのままにしてしまった。


 そんな『エル』にヒントをもらって、神様も取り入れ、お話を書くことにした。

 テーマは決まっていた。『誰だって生きていていい、ゆるされる』ということ。


 この世界は『異端者いたんしゃ』が生きるには、あまりにつらいけれども、それをゆるしてくれるひとはきっとどこかにいる。少なくとも僕はそんなひとをゆるしたい。この物語を読んだひとが少しでも何かゆるされたような気持ちになってくれたらいい。それはあまりに、おこがましい感情だったけれど、とりあえず書いてみたかった。きっと僕が読みたかった。僕がゆるされてみたくなったのかもしれない。


 かたちに、残しておきたかったのかもしれない。

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