第29話 女神のセッション
*2回目のセッションです。
ヒグマに念を送って、さぐる。
――『仲間がいるよ』『呼べば』ヒグマはちゃんとしつけられています。
じゃあ、仲間って誰? とヒグマに聞く。
――精神値チェック。
3と5
――じゃあねえ、ヒグマはこっちこっちと手招きしています。
ヒグマが誰かを呼んでいる……?
――精神値チェック。
2と6
――残念ながら「わたし」にはわかりませんでした。
屋敷をもう一回見ます。
――ほほう。役に立たないんだけどなあ。精神値チェック。
3と3
――6か! じゃあ、わかるかもしれない。
なになに?
――後だしジャンケンだけどさあ。
うん。
――こいつも意外と、強いなあと思った。
頭痛してるけど、慣れてるし。
――じゃあ精神値チェックしてください。
3と1
――あーよかった。これじゃあ精神値チェックできないところだった。明るみに出てるから。『魂が他のとこいっちゃってる』
だれの魂?
――おまえのだよ。
なんだかふわふわとして、自分が自分でないような……曖昧な感じ。
――精神値チェック。
3と3
落ち着いてきた。悪かった。精神値はリアルで削れてるから、メモして寝て。
メモって?
――精神値回復。
<やり直し>
――命拾いしたところから、やり直しましょう。
はい。ヒグマは?
――います。
立ち向かっていけばいいのかな?
――おいでおいでをしていますよ。
――ちゃんと寝てろ、おまえ。
ほふく前進でヒグマのもとへいきます。
――確かに。気がついてほしかったんだけど。
なにに?
――本気でそれをやっても、後悔しない?
一度はやっておきましょう。(ほふく前進)
――精神値チェック。
2と4
――腹ペコの精神値チェック。
6と1
――あなたはもともと、この村のことを知っていました。
この村のことを思い出します。
――精神値チェック。
2と4
――だいたい思い出しました。
――映画村です。
それって……?
――単に、この村のことを知っているだけなので精神値チェックしてください。
5と1
――するとこの状態からでは、はっきりわかりました。喜んでください。精神値チェック。
4と1
――奇妙な考えが浮かびます。
これは誰かのシナリオなんだ……。
――はい。最初からあなたは一般人ではなかったのです。
俳優さんなの?
――それに決めましたか?
(いや待て!)オカルト研究員で占いが得意なのでちょっと演技してみてくれと言われてここへ来た。
――でた! オカ研!
――オタク!
リアルじゃないし。
――逆。
――逆転の発想。
これは現実? 夢がリアルになったの!?
――そうですよー!
じゃ、ちょっと宇宙と交信してみます。
――調子悪いですね。
――出目が悪い。
――目が醒めるときが来たな。
神に祈りをささげます。
――精神値チェック。
1と6
――『逆。』なにかしゃべってみてください。
「ここはドリームランド?」
――えー!?
――そうです。ドリームランドです。
じゃあ、目つぶって目ざめるイメージでリアルに戻れるはずだな。目をつぶります。
――精神値チェック。
4と6
――なんだかなー。落ち着いてるみたいだね―。
そっかぁ。クトゥルフの世界では、確か魔法の力で、姿を変えられてしまったという人間の話があったな。
――正解。
あのヒグマのしつけられ方は……もと人間? だとしたら、魔法がかけられてるかもしれない。
――精神値チェック。
5と2
――余裕です。といてみてください。
いや、私魔法なんて……占い程度ですし。
――だから?
今の仮説が正しいかどうか、占います。
――全然違います。
じゃあ異世界に自分がいるのか占います。
――その前に精神値チェック。
2と5
――クトゥルフになりました。
げ! 魔物に逢ったら即死のヤツ?
――そうです。約束。
天の声を聞く。
――『信用できない』と。
ここは本当にクトゥルフの世界? と占います。
――占いはイエス、と答えます。
私は、
――なに一人で遊んでんの?
周囲を見まわします。
――精神値チェック。
6と1
――ダメです。
――そう言いながら、精神値チェック?
声を出してもいいですか?
――どうぞどうぞ。
だれかー、いませんかー。
――『いますいます! ここにいまーす』
私、目見えてます?
――見えてます。
人を探します。声のする方を。
――クトゥルフなのを忘れないように。
あたりは暗い?
――はい。
灯りをつけるか、探すべきか占います。
占いはイエスと出ています。
灯りになるものを探します。
――残念。精神値チェック。
2と4
――うん、出るね。
自分でそれとわかる?
――わかりませんでした。
もう一度探す。
――だめです。
がくー。見捨てるの? 占う。
――そうです。占いにはイエス、と出ています。
これからどうやってドリームランドを出るべきか占います。
――精神値チェック。
1と1
――出目がいいのでメランコリー。
天の声を聞きます。
――ええとね。『今までのことを書きなさい』
真っ暗なのに?
――はい。精神値チェック。
5と2
――あたりまえじゃないですか。余計なことを考えずに。
星明りとか月あかりとかない?
――あるよ。
じゃあ、その薄明かりで書こう。書くもの手もとにある?
――ある。精神値チェック。
5と2
――クマが来ました。
占う。
――背後からきました。
どわは! こわい。
――目の前から消えました。
あのクマは何者なのか占います。
――精神値チェック。
4と5
――ダメ。最初から。
5と1
――精神値チェック失敗したので、占いには何も反応がありませんでした。
何者かわからないけど、危険はないのか? 占う。
――精神値チェック。
1と6
――精神値チェック失敗。
今、この場を動くべきか占う。
――占うまでもなく、どこかへ行きました。
私が?
――手探りで。
わあ! 真っ暗だけど、ここはどこかな?
――精神値チェック。
5と3
――ひー! 出目がいい。するとどこからか『すみませんが、どこから来たんですか』と聞かれる。
なんと答えるべきか迷います。
――精神値チェック。
私、記憶喪失じゃなかったっけ?(前のセッションをひきずっている)
――精神値チェック。
6と6
――と?
3と1
――『そうか』とクトゥルフの神が言いました。
私、死ぬの?
――バッドエンドです。
逃げればよかった!
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