第22話 自分にご褒美&ご褒美!
わーん! 手塚治虫原作の、ヤングブラックジャックが連載終了! さびしい。
アマゾンで最終巻の16巻を購入すると、生真面目な顔つきをした間黒男くんがメスと頭骨にはさまれている。
いよいよ、終わりなのだ!
15巻からの、如月恵さんとの恋愛話はどうなったかなと、読んでみる。
(口絵にある、退廃的な間くんもいいのだが、わたくしは別のところできになっていることがある)
ピノコが出てきた。
ああそうか。
このヤングブラックジャックというお話は、間少年がブラックジャックになるまでのお話だったんだ。
だから、か。(ひとりのみこみ)
手塚治虫先生のスター制度に基づいて、この漫画のいたるところで手塚漫画の主人公や脇役が活躍している。
あのキャラは今どうしているのか? 彼らの話はどう、決着がついたのか? 全部描いてある。
アトムまで出てきちゃうんだよ! びっくりしたー。
しかし、ロックのアップは罪だな。
ネクタイとダークスーツでピタッと決めてたキャラが、取引先のボスと入浴するっていうシーンがあってね。
流し目でシャツをはだけて、鎖骨を出すのさ! もちろん、ネクタイをほどいてね! すごいお色気で、漫画家さんの正気を疑った。
大熊ゆうごさんていう漫画家さんなんだけど。
この最初から最後まで、一貫した「男のお色気」にわたくしはふにゃふにゃである。
それでなくても、好きなキャラなのだ。
そのキャラがあーんなポーズやこーんな構図でいろいろしてるから、悩殺されまくり!
(あれ……医療漫画って、こんなにエロいの……?)
って思ったくらい。
手塚作品の色気だって好きだけれど、大熊先生のはより現代的で、わかりやすい色気だ。
しかし、このポーズは少女漫画のどこかで見た気もするなあ、とか。
えらく通俗的で、世の中をなめた顔したブラックジャックで、どうしてだか笑ってしまうなあ、とか。
思うところはあるんだけれど、それもみんな、読者サービスなんだろうなと思うと、尊い。
カバーではしゃいだ、ブラックジャックを見るたんびに思う。
若いってこういうことなんだよなあ、きっと……。
おもしろくてたまらない。
だから、いろいろ手持ち金の都合とか、暮らし向きを鑑みて、葛藤はあったけれども、大熊先生の「初!」イラスト集をアマゾンで買った。
それが、今日の朝に届いていたからびっくりだ。
『美しき傷跡』って帯に書いてある。
そのポスターを見たら、ふぬん!? と鼻息が出た。
鎖のちぎれた手錠をはめられ、両腕を頭の上にかざした間くんがいる。
バックは菊と金魚があしらわれ、煩悩の渦に叩きこんでくれる。
金魚の刺身ってご存知でしょうか?
芸者言葉で、美人なだけで芸のない芸者って意味です。
だけど、漫画は見かけも大事! ああ、その目つきは、花魁が一枚はだけるごとに見せる媚態ではないのか!? 心まどう読者である。
いや、言ってなかったけれど、大熊先生の描かれる間君はほとんど裸体ばかりが印象的である。
傷跡がねー……きれいだし、ハイライトをしてあって、つやつや。
他にもあるのよ? ほ、本当よ?
そうね、口絵でね、間君が給仕さんみたく立っていて、読者の手前側にお菓子の盛ってある段がある。
そのお菓子が、色鮮やかで、変わった趣向なの。
水色のソーダ水みたいなのに、眼球が漂っていたり、紅い色の受精卵みたいなのがあったり、黒いクリームに真珠色の犬歯だか爪だかが、アーモンドみたいに飾ってあったり、おもしろいのよ実は。
だけど、色合いが衝撃的で、上下がさかさまになったような、アンバランスな感覚がするの。
酔いそうな感じ。
お菓子はまだあって、二段目にはハート型のマカロンだったり、一見喋々みたいな形のクッキー(実は骨盤型)だったり、一見普通の四角いケーキ(実は元素記号とか配列とかが描いてある)だったりが、オシャレに並べられている。
一番てっぺんは、クリスタルの頭骨に飴の網がキラキラと飾ってあって、手前に右と左で色の違う、ツギハギのあるスペード型クッキーがある。
これが、ブラックジャックこと、間少年の作品であることは間違いない。
本編は必ずしも甘くはないが、これがスイートなブラックジャックってことか……。
医大生って、夜中に内緒で、解剖用の遺体の内臓だけを、別の班のとそっくり入れ替えておく、とかいうジョークに耐えうる精神力を持ってないといけないらしい。
だから、間君もきっとこれくらいはお茶の子でするんだろう。
最初から最後までびっくりさせられっぱなしだ。
しかし色っぽいんだよなー。
母がそれを知らずに、甥っ子に貸してやんなさいって言いだしたから、悩んだ。
「子供には刺激が強いと思う。むずかしい漢字がバンバン出てくるし」
そういって断った。
なんだかちょっぴり後ろめたい。
ヤングブラックジャックは拷問シーンがあったり、人がジャンジャン死んでしまうので十歳未満はちょっと……。
かわりに『海のトリトン』を貸してあげた。
『ドラゴンボール』と『ONEPIECE』の5巻までをお試しにと付け加えて。
いやー、ねえね、まだ甥っ子に脳みそがどうかしてるとは、思われたくないんだよ。
骨格標本や人体図みたいなのに萌え萌えしてるなんて、知られたくないんだよ。
「これが間少年の骨かぁ~~うん、筋肉の付きがいいね」
とか……まちがっても言えないし、聞かせられない!
私が死んだときには、これらの作品はお棺に入れて燃やしてもらう! 絶対!
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