第18話 Rくん、2歳10ヶ月の戦い

 甥っ子のRくんは、まるで軍神の申し子のようである。

 親せきの中で一番幼い。

 そんな彼は、だれかれかまわず戦いを挑む。

 わたくしも、出逢いがしらにパンチをおなかにもらった。

 そんなに痛くはない。

 だが、なにをそんなにむずがっているのか、わからない。

 そして、家族が憩っているときに、一人だけやたら元気に動き回って、兄たちにおもちゃで殴りかかったりしている。


 おもしろいのは、パパがいるときは、兄などには構わず、パパにむかっていく。

 その場で一番強い者にむかっていく、しかもなんどやりこめられても、あきらめない。

 最初は、おもしろそうに向かっていく。

 しかし、相手をするパパはよく見ている。

「教えもしないのに、平気で急所を狙ってくる」

 強い。

 これは怖い。


 と、言うわけで、お祭りへ行くと、欲しがるおもちゃは、ぴかぴか光るスティックではなく、拳銃の形をした「バンバン」だったりする。


 ねむっているときは天使のようにかわいいのに……のに、のにのに。

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