第7話 こどもは天才
客観的に自分の事を論じてみると、どうもわたくしは「子供と老人」が共存するが間はない、とよく言われる。
たしかに、どこで知ったかわからないことを、よく知っていたりする。
子供がどこできいたかわからないことを、突然言い出したりするあれ。
老人が自分の経験からみつけたことを、周知のこととして語ってしまうあれ。
子供は動じない。
「あの子がおまえの誘いを断ったのは、別の子と遊びたいからだ」
とか、父に言われても。
「だからなに? 私だって、あの子よりかわいい子猫を優先する事あるし」
と小学生低学年の時に思っていた。
年よりは分別がある。
「見てみろ、赤ちゃんて、猿みたいだな」
と父に言われても。
「そんなことないよ、妹だもん、かわいいよ」
と三歳の時にフォローを入れていた。
わたくしは騙されない。
「おまえはハクチだ」
と父に言われても。
「ハクチというのは、知能的に問題のある者のことで、私には当てはまらない」
と小学生三年生のときに思っていた。
知っているんである。
父が、アホウであることを。
信じるに値しない、バカげた発想しかしない生き物であることを。
だから、わたくしは彼の顔面に単二電池をおっことした。
二歳児のときである。
世の男性よ。
子供は天才である。
なにもかもを憶えているものだから、ゆめゆめ妙な気を起こさぬことだ。
あなたの失敗をよく見ているのだ。
そして子供の無邪気さと老人の老獪さで、あざ笑っている。
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