マジで空飛ぶ五秒前。

 夜、俺は約束した公園に向かった。

時刻は午前零時が近く、街灯と街の明かりだけが周りを照らしていた。

「来たわね」

ルナはまたあの水色のドレスを着てここに来ていた。

なんというか昼間とは全然違いすぎて、特殊メイクでもしているんじゃないのかと思うレベル。

うん、このムチムチ……いや肉感がたまりません。

「感謝」

俺は思わず両手を合わせてルナの方に合掌してしまった。

「何してんの?」

ルナは意味が分からないとドがつくほど被虐趣味な方がオカワリと言って喜びそうなほどの刺さる視線をこちらに向ける。

俺にはそれは刺さりすぎて痛いけど。

「とにかくふざけてる場合じゃないの。もうそろそろ助兵衛が現れても可笑しくない時間よ。 急がないと逃がしちゃう」

そう言ってルナは踵を返して公園のベンチがある方へと向かおうとする。

「ちょっと待てよ」

まるで昔のイケメン俳優が口にしそうな言葉をルナに投げかけて呼び止める。

「何、どうしたの?」

だからその視線は怖いよ。

なんだか目から赤いレーザービームでも撃てそうな眼力。

「いや、助兵衛だっけ? あの猿を捕まえ得るにしたってそれなりの装備もないし、作戦もない。何もない状況下で奴を捕まえるなんて不可能極まりないか?」

俺はルナに向かい抗議した。

するとルナは自身の腰に手をやり、ゴソゴソと何かを取り出した。

「はい。 これ、返すわ」

そう言ってなんの説明もなく取り出したのは俺が彼女に渡したipodだった。

「有り難う。ってなんで今これを?」

「貴方が装備が必要って言ったんじゃない。.捕まえるための魔法の道具よ」

ルナはウィンクをしながら言った。

うわ、うさんくせぇ。

俺はルナからipodを受け取り、動作を確認して見る。

特に変わったところはない。

「変な動画とかは入っていなかったわね」

「まさか中身をみたのか?」

「そりゃあ、見るでしょ。 意外と淡泊なのね」

「人を何様だと思ってる」

「ただのスケベな奴じゃなかったの?」

エロいですが変態ではありません。

「あの猿と同じにするんじゃない。なんだ俺の鞄の中にでも変な物が入ってると期待してたのか」

意地悪に俺はルナに問いかけた。

そう反撃だ。

「ま、まさか……」

するとルナは顔を真っ赤にしながら顔を横にふる。

「変な想像でもしてたのか?」

俺はきっと気持ち悪いと言われるくらいの表情をして彼女に攻め寄る。

完全にはたからみたらヤバい奴と言っても過言ではない。

しかし、これは身を守るためだ、やむを得ん。悩み多き年頃の高校生のプライバシーを侵害した罪は重いということをルナに分からせなければ。

しかし俺の予想に反してルナは身体を震わせ、うつむくと一気に顔をあげる。

「それがスケベって言ってんのよ」

彼女はそう言って目にもとまらぬ右手のフックを繰り出し、俺の頬にたたき込んできた。

「げふっ」

まともに食らった俺はそのまま痛みと共にマットならぬ地面に倒れた。

ルナは見かけによらず剛腕なんだと想いつつ意識を失い駆けた。

閑話休題。

「これがなんであの猿を捕まえる為の道具になるんだ?」

痛む頬をさすりながら俺はルナに問いかけた。「助兵衛は素早いじゃない。普通の人間の足じゃ追いつかないし、それに軽々とビルの合間を塗っていくから正攻法じゃ捕まえられないと思うの。 だからね……」

ルナはそう言うと俺に近づき、ipodを奪うとすっと俺の片方の耳に腕を伸ばしイヤホンを差し込む。

「特定の曲を聞くことで空を飛べてずっと走り続けられるようにしたのよ」

ルナは俺にかまいなしに手元のipodを操作する。

「どういうことだ?」

「習うより慣れろでしょ」

ルナは俺と顔が触れるくらいに近づき、もう片方の耳にイヤホンを差し込む。

そしてその目の前でipodを操作する。

いや、近い……。

カリカリと操作音が聞こえるなか俺はルナの顔をまじまじと見つめてしまう。

やっぱり見とれてしまうし、綺麗だなとただただ単純に想う。

あんなバナナなんて使用しなくても本当に宮田にこの姿で詰め寄ったら落ちないはずがないと考えるが。

ぼっーとしてた俺の両耳にイヤホンから音がした。

聞こえたのは俺が気に入ってipodの中に入れている海外のバンドの曲だった。

ギターの音が最初に入るとそれを追いかける

ようにドラム、ベース、ボーカルと続いていく。

ロック特有の歪むような表現でギターの音が印象的な曲だ。

この曲を聞くと気持ちが高鳴り、走りたくなる気分になる。

そう、いい感じだ。

これからあの猿を捕まえるのにはちょうどいい曲だ。

ん……?

なんだかルナを見ている視線が段々と上がってきている。

まさか……?

空中に浮いているのか俺は?

足元を見ると地面から一メートル近く離れ始めていた。

俺はルナの方を見る。

彼女は口で何かを言っているがイヤホンで耳をふさぎ曲を聞いている為、聞き取れない。ルナは何かを伝えようと手でジェスチャーしているが何を伝えたいのか分からない。「何?」

俺はルナに向かい、大声で叫ぶ。

ルナはしょうがないと言わんばかりの顔をして両手を耳に当て、そこから両手を耳から離すという動作をする。

イヤホンをはずせということだろうか?

彼女は二回ほど同じ動作を繰り返した。

気がつけば地面から早くも一メートル以上離れ、空中で足がつかない為、ジタバタとしてしまう。

とにかく俺はルナを信じてイヤホンを耳からはずした。

その瞬間、俺は落下し、地面に着地する。

「あう!」

なんて間抜けな声だと自分で思うくらい情けない声を出した。

「何が起きたんだ?」

俺は状況を必死で理解しようと頭をフルに回転させようとした。

「宙に浮いていたわね」

ルナが何の変化もない答えを返す。

「いやいや、それは分かってるから。 つーか一体、俺のipodに何をしたんだ?」

「さっきも言ったじゃない。 特定の曲を聴くことで空を飛べるようにして走れるようにしたって」

いやいや、なんてことをしてくれたんだ。

タケコプターならぬiコプターですか?

青い猫型ロボットもびっくりするぞ。

「かけたのは分かったが説明くらいはするだろ?」

俺は精一杯の抗議をルナに向ける。

「先に体験した方がわかりやすいでしょう? 説明をダラダラするよりはいいと思ったのだけれど」

ルナは腕を組ながら悪びれることなく言った。「チュートリアルなしでいきなり、ハードモードに突入させるなんてどんだけ鬼なんだよ」

ハートマン軍曹かよと突っ込みを入れたくなる。

「そんなにネチネチ言うことないじゃない。小言ばかり口にしてるとモテないわよ」

ルナは見下すように背筋を伸ばしふんぞり返る。

「あー、そうかい」

俺は流すように言った。

「で、この魔法にかけられたipodはどう使うんだ?」

俺はルナに説明をプリーズした。

しょうがないわねと言わんばかりにため息を一つつき、彼女は口を開く。

「まずは特定の曲にかけたんだけど曲の選択はプレイリストの中に入っているからそれを選択して」

俺は言われるがまま自身のipodを操作しプレイリストの欄を出した。

するとそこには俺が過去に作成したプレイリストとはまた別に一件、『ルナちゃんセレクション』と題されたプレイリストの存在。この題名、自分で書いたのかな?

だとすると魔女である前提にかなり痛い娘なのかもしれない。

まぁ、好きな人に薬?を盛ろうとしている時点でヤバいが。

とにかく俺はルナが作成した『ルナちゃんセレクション』を開いた。

そこには曲が十曲以上、収められていた。

俺は操作し、ルナが選曲したタイトルを確認してみた。

俺が以前、以前入れた曲もあったがルナが勝手に入れたのだろうか知ってはいるものの何曲か入れたことのない曲も含まれていた。

全部、ジャンルはロックで上から目線になるがかなりセンスのいい選曲ばかりで個人には嬉しい選曲たちだった。

バレンタインに好きな人に惚れ薬入りのチョコバナナを送ろうと考えている人物のセンス

とは思えなかったくらいだ。

「開いたぞ」

俺はルナにプレイリストを開いたことを告げる。

「その中のどれでもいいから選んで、再生すれば勝手に魔法が発動して空中に浮かび上がるわ」

最初からその説明をしてくれればいいのにと俺は思ったが口に出さないで飲み込んだ。

「再生が終われば魔法は切れるから注意して。あっ言い忘れたけど貴方がさっきしたみたいに曲が再生されている最中でイヤホン外したら魔法の効力は切れたのと同じになるから」

「それこそ先に言えよ。一番、忘れちゃいけない注意事項だろ」

俺はルナに突っ込んだ。

おかげで地面にたたきつけられるという痛い思いをする羽目になった。

「あと、曲は全部で十二曲入っているから、全部で約一時間ほど。 その間は貴方は自身の体力を無視して走り続けられて宙も走れるから」

「ということは一時間以内はいくら走っても大丈夫ってことか?」

「そういうことになるわね」

世界中のマラソンランナーが聴いたら喉から手が出るほど欲しくなる代物だな。

「ちなみに次の日、筋肉痛とかにはならないよな? 自慢じゃないがそこまで肉体が強くはない」

「胸をはっていうことじゃないでしょ。 安心してそう言うと思ったから肉体へのダメージはないようにしてるから」

ルナは人差し指をたててびしっと言った。

「なら安心だ」

さすがに身体を動かしすぎて次の日に動けなくなるのは嫌だからな。

「使い方は分かった。 ところで肝心の助兵衛はどうやって探すんだ」

俺は単純な質問をした。

野生の猿と化した助兵衛は神出鬼没になるはずだ。

そんな簡単に見つけられる訳じゃないはずだ。「それは心配しなくても大丈夫よ」

ルナはそう言うと胸元に手を入れる。

でた、セクシー系のアニメや漫画で使用される胸からアイテムを出す仕草。

怪盗三代目ブラザーズに出てくる女怪盗みたい。

彼女が取り出したのはなにか怪しげな液体が入ったスプレータイプの小瓶だった。

「なんだ、それ?」

「これは助兵衛が好きなメスの体液を抽出してから濃縮させて二倍に薄めた物よ」

なんだか嫌な感じしかしないぞ。

「それを使って何をするんだ?」

「これをこの辺りに散布することで助兵衛をここにおびきだすの」

「なるほどな」

ルナが言っていることが本当ならば助兵衛はどんだけ欲求不満なのかと思ってしまう。

まぁ、本能のままに動いているとしか言いようがないだろうけれど。

「じゃあ、ここに現れた奴を俺がこの魔法のアイテムを使って捕まえるってわけだ」

「そういうことね」

ルナは背中をのけぞらせ自慢のお胸様を強調する。

本当は合掌して拝みたいところではあるけれど心の中でしておく。

「それとこれ、渡しておくわね」

ルナはどこからか虫網を手に持ちこちらに差し出した。

「これは?」

俺は伝説の名刀を受け取る剣士のような目つきで虫網を手に取る。

これも魔法とかかかっていると言いたいんだろうと俺は心の中で笑った。

「ただの強度のいい虫網。別に魔法とかかけてないから」

ルナは興味無さそうに言った。

それは魔法かけないんだ。

魔女の魔法をかける基準が俺にはよく分からなかった。

「じゃあ時間がないから早速やるわよ」

虫網を持ち呆然としている俺を急かすようにルナは言った。

「わかった」

ルナが真剣な顔をして口にしたから俺は気を引き締める。

彼女は小瓶を一プッシュし、助兵衛をおびきだす為の液体を辺りに散布した。

液体が霧状になって散布され辺りに臭いが広がる。

「臭っ!」

俺は思わず鼻をつまんで叫んでしまった。

なんともいえない獣臭とでも呼べばいいのかかなりキツい臭い。

一言でいうならバッドスメルだ。

野生を感じさせる臭い、まさに自然の脅威。

「静かにしてよ。 助兵衛が逃げちゃうでしょ」

ルナは平然とした顔をしながら言った。

「お前大丈夫なのか?」

俺は鼻をつまみながら彼女に問いかけた。

「別に何も?」

「そうでございますか」

どうやら彼女のきゅう覚は壊れているらしい。俺はルナのことは気にすることなく辺りを見回した。

いつどこからあの猿が出てくるか分からない。気を引き締めなければ。

俺は辺りの暗闇や遠くの方を見たりしてあの猿が居ないか警戒する。

すると静かな闇夜にこの場所で聞こえるにはおかしい声が聞こえた。

〈ウキー!〉

俺とルナは顔を一瞬見合わせると辺りを見回す。

すると遠くの住宅の屋根をつたい黒い影が素早く動いているのが見えた。

影は段々と大きくなりシルエットを現す。

子供のような体躯だが酒に酔ったような赤いおっさん顔。

そして片方の手にはキラリと金色に輝くあの振動するバナナ。

目視し認識した瞬間、助兵衛だと分かった。

助兵衛はこちらに、向かっているのがわかった。

「こっちにくるわ。 準備して」

ルナがそう言い、俺はイヤフォンを耳に差し込み再生ボタンを押した。

曲が流れ始め、身体が軽くなるような感覚になり、足下が空中から離れているのが分かった。

曲を聴いたまま走り続ければいいんだな。

俺は自分で納得し、徐々に身体が空中に上がっていくのを確認し、走ろうと足を動かしてみた。

なんだか柔らかいクッションの上で足を動かしているような感覚がした。

なんだが不思議だ。

俺は思わず、下を見てみる。

そこには不思議な光景が浮かんでいた。

もうすでに五メートル近く浮かんでいた。

おおおおぉ、正直に怖い。

信じられない。

アメージング。

そう叫びそうになるがこの場面で叫んではいけない。

目的が近くまで来ているのだから。

そう思いながらも標的はさすがに見逃してはいけない。

俺は恐怖とよく分からない感情を抑え、必死に走ることを考えて足を動かした。

向かうはあのちっちゃい標的。

俺はあの助兵衛と呼ばれている猿をめざし、足を動かす。

なんだか最初はスローであることが分かるが足を動かしているうちに要領が分かってきた。こちらに向かってくる猿を見据え、足に力を込めた。

勢いよく駆け出すことができ、陸上で走るのと変わらないくらいの体感速度で足を動かせる。

俺は行けると思った。

助兵衛が疾走する屋根の方へ向かい走る。

こちらに近づいてきた助兵衛は野生の勘か危険を察知したのか、一度、その場で足を止める。

そして目の前に対峙する俺を認識した瞬間、あからさまに嫌な表情をした。

『なんだ、この男は?』という副音声が聞こえてきそうな表情をしているようにも見えた。俺は地面をけるように足に力を入れる。

耳元ではロックンロールが流れ、ドラム、ベース、ギター、ボーカルが一つの四重奏を奏でていた。

その音楽のリズムに合わせるような感覚で足を動かし、猿を捕まえようと猿と間合いを詰めようとする。

すると助兵衛はテレビで見るように牙を見せるようにしてこちらに威嚇する。

〈シャー〉という聴いたことのないものすごい形相をする。

「のわっ!」

俺は思わず驚いてしまう。

助兵衛は金色のバナナを子供を守るかのよう大事に抱きかかえ威嚇をしながら、あとずさりすると方向を変えて、別の住居の屋根へと飛び移る。

「ま、待て」

俺はすぐさま助兵衛を追いかける。

だが助兵衛の動きはかなり速くそうそう簡単に捕まえれる速度ではない。

それでもやらなければいずれ、こちらの命の危険がある。

助兵衛の行こうとしている方向がわかり、そこはルナのほうで、どうやらあのエキス?のスプレーが効いたのかそっちの方へとかけていく。

恐るべし本能だと思いながら俺は方向を変えてルナのいる方へと向かい足をける。

助兵衛はバナナを抱えて本能に忠実に動きルナの方へと走っていく。

俺は空中に浮かんでいるが、助兵衛に追いつこうと必死になっている。

すると助兵衛が鳴き声を上げたのがイヤホン越しに聞こえた。

〈ウキー〉

するとルナめがけて一直線にかけていく。

聞こえないがルナが「あら、助兵衛、素直に戻るのね」と言っているのだろうか口を動かし今にも飛び込んでいきそうな助兵衛を受け入れようと両手を広げる。

まさかそのまま鬼ごっこは終了か?

その考えはかなり甘く、キャラメルに砂糖をかけるくらい甘すぎる物だった。

〈ウキー〉

助兵衛はハットトリックを決めるのかと思うくらいのフットワークの軽さでルナに近づき飛び込んでいく。

飛び込んだ先はルナの太ももだった。

そう、あの白くてすべすべしていて肉付き感のいい……ドレスの合間からのぞく太ももめがけて助兵衛はしがみつく。

ルナが驚いた表情をする。

その瞬間、助兵衛は外道ともいえる動きをする。

彼女の肉付きのいい太ももに頬をすりあてて頬ずりをした。

まさにスリスリと擬音が聞こえてきそうな動き。

「キャーーーーーーーーーー」

よほど気持ち悪かったのかルナは悲鳴をあげ、しがみつかれた足を蹴るように振り上げた。

俺は耳にイヤホンをしているから音楽以外の音は聞こえないが彼女の悲鳴だけはしっかり聞こえた気がした。

助兵衛は蹴り上げられた太ももに片手でしっかり掴まり、まるで天国にでもいるかのように至福の時を味わう表情をしていた。

どうみてもただの変態のおじさんにしか見えない。

ただ一つ相手は種を超えてもオスであることには間違いがないということか。

「おいっ」

俺は助兵衛に叫び、ルナのほうへかけていく。その間に、ルナは自身の太ももにしがみつく

助兵衛の首根っこをつかもうと手を伸ばすが、すぐに助兵衛はさっとふとももから離れる。

キレイに空中に浮かび、一回転すると地面に着地する。

「捕まえた!」

俺は思いっきり、隙を見せた忌まわしき猿に手を伸ばした。

その瞬間、助兵衛はジャンプし俺の顔めがけて飛んできた。

「ぶっ!」

俺はもろに助兵衛の蹴りをくらい後ろに吹き飛んだ。

きっと力士の張り手とかこれくらいの威力なんだろうかとどうでもいい疑問を考えつつ、俺は地面に背中から倒れる。

「痛ぇ」

俺はすぐに起き上がり助兵衛の姿をさがす。

〈ウキー〉

 後ろから声がし、振り向くとそこには助兵衛が赤い尻をこちらに向けて俺を見ていた。

 助兵衛は俺と目があった瞬間、ニヤリと笑った気がしたのは気のせいだろうか、踵を返すとそのまま素早く駆けていき闇夜に消えた。 ぼっと見ていた俺は自分が空中に浮かんでいることに気がつき、すぐに体勢を立て直し、イヤホンを外し、ipodの停止ボタンを押した。

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