第9話 鈍足遠井 吾郎、滅多にない3塁打!滑り込んだが?
ふくよかな体形と黒いメガネをかけた温和な顔つきからそー呼ばれていました。
打てない時代の阪神を支えた中心バッターでした。
小山が語る
《チームメートとも本当に和やかに接しとった。あれぞ「好人物」の典型やな。当時、かなり変わり者というか、個性的な選手が多かったけど、ことゴローに関しては皆が好きやったんちゃうか。先輩にも後輩にも、悪い印象なんか一つも与えてないと思うよ。人柄は本当に素晴らしかった》
鉄壁の内野陣と書きましたが、ことファーストは違いました。その守備範囲の狭いこと。狭いというより、ほとんどベースから動かなかったという感じでした。だから当時のセカンドで鎌田ほどファーストよりに守っている選手はいませんでした。それでも鎌田は、センター前に抜けるかというゴロを捕っていたのです。
当時随一の酒豪選手としても知られ、体格が体格だけに田淵幸一、江夏豊と合わせて「阪神相撲部屋」と呼ばれていました。失礼ですね。
盗塁20、「速いやんか!」と思わないで下さい。シーズンではありません。実動20年間の生涯記録です。割り算をしてください。鈍足でした。
こんなシーンを目にしたことがありました。滅多にない三塁打をはなったのです。2塁ベースを過ぎると意外や加速度がついたのか重戦車のようでした。3塁手前で足がもつれ、すべり込みました。ベースに10センチほど届いていないのです。普通立ち上がってベースにつきますが、もう重戦車は起き上がることも出来ず、いざりながら足を伸ばすというずぼら?をやりました。外野からサードヘ返球、審判の手は「セーフ」観客はホット安心、そして思わず「笑って」しまいました。
エースといえども、ミスタータイガースの呼称を貰っても、出される阪神にあって一筋20年、今年引退する桧山(22年)に抜かれましたが、その人格円満さが偲ばれるというものです。引退後は新地でクラブを経営していると聞いて、飲みに行きましたが、夫婦でやっているスナックという家庭的な感じでした。「ホステスに・・・」ふちらな考えを持っていた私はそれ一度でした。
生涯打率 .272 1436安打 22盗塁。後年は代打としてチャンスでいぶし銀の打撃を見せてくれました。
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