第4話 4代目は『「蚊(か)蚊(か)掛布さん』

高校卒、ドラフト6位ながら彗星のようにあらわれ、1年目から1軍定着、2年目からサードのレギュラーに定着した。掛布雅之の「GO,GO掛布」のマーチに乗って左バッターボックスに入る姿が懐かしい。  1978年オールスターで3打席連続ホームランを打って、長嶋に「これからは掛布君の時代です」と言わしめた。僕もすごく印象にのこっています。オールスターで3打席連続は彼一人です。阪神が日本一になった年の巨人戦での、岡田、掛布、バースのバックスタンド3連発も語り草です。何より、田淵と違ってあの小さい身体でホームランを打てたことに僕は感心しています。田淵なきあとのホームランを打てる4番バッターでした。パワーでなく高い技術で打てたのだと思います。今年の阪神を見ていたら、「カムバック、掛布」と云いたくなります。  優勝した翌年の1986年4月、中日戦で斎藤投手から受けた死球で左手を骨折して以降は、相次ぐ故障に見舞われ、そして、1987年には永遠のライバルと言われた江川卓が引退、さらに自身もオフである1988年3月に飲酒運転で逮捕されてしまう。そして、この逮捕により、オーナーや監督との確執が残り、気力・体力ともに限界に達した掛布は、この年限りで現役引退。何と33歳という若さであったのは余りにも残念でありました。 タイガースの親会社阪神は電鉄会社で乗り物の安全を最優先にします。これが、掛布が監督になれなかった一番の理由とされています。楽天の監督の話もありましたが、自らの債務問題でテレビのタレントの収入を優先したという話があります。長年担当していた日本テレビの解説者を辞めたのも、これが影響していると云われています。 後半の恵まれなかったのは、掛布の出た金チョールのコマーシャルが良くなかったと、僕は勝手に思っています。3塁ベースを枕にして蚊取り線香をつけて居眠りしているものでした。「か、か、かけふさん」出るコマーシャルも考えものですね。 生涯成績:本塁打王:3回、 打点王:1回 、オールスターゲームMVP:3回 ホームラン数349 打率.292 いずれも素晴らしい成績ですが、監督として途中交代したり、監督と思われていたのになれなかったり、ミスターという呼称を貰ったのに途中で出されたり、阪神のミスターは何処か物悲しいのです。

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