第3話 3代目ミスタータイガースは『がんばれ!タブチくん』

3代目ミスタータイガースは「がんばれ!タブチくん」 前年入団した江夏豊と、1年遅れて入団した捕手田淵幸一のバッテリーを黄金バッテリーと呼び、長嶋・王の巨人に対抗した。二人とも最初はスリムでありました。 当時、捕手はずんぐりむっくりの体型であった(野村克也に代表される)が当時としては180センチを優に超す長身で、バッターの頭越しにセカンドに投げる強肩はキャッチャーのイメージを変えました。 何よりフアンを魅せたのは高々と上がる滞空時間の長いホームランにあった。打てない時代のキャッチャーの時代(野村克也は除く)にあって、背番号22は阪神フアンにあって、頼もしい存在でありました。一発逆転、ここで打って欲しいときに打って、フェンスを乗り越え、鉢巻きしめたフアンが3塁から帯同し、ホームで土下座したシーンは王にはなかったシーンである。(巨人フアンはジェントルマンですよね) スリムな田淵であったが、いつのまにか太りだし、捕手の守備ぶりが監督には難に移るようになった。こんな田淵をパロデイにした『がんばれ!!タブチくん!!』という漫画が現れ、(アニメにもなったほど人気があった)『南海移籍、電車一両と』と描かれたりした。本人全然気にもせず、結構喜んで見ていたと云うから、田淵君の人の好さが分かるというものである。 クラウンから西武に変わって、スター選手を欲しがっていた西武にトレードされることになった。このトレードは深夜に呼び出されて通告されるという異例のものであったが、球団側の「今度行く西武の根本監督は良い監督だから、行ってよく勉強して来い」という説得に対し、「じゃあ、(阪神の)ブレイザー監督は良い監督ではないんですか?」と言い返した。トレード自体は田淵がテレビのインタビューで不満をぶちまけ涙したりして、すったもんだの末に決着した。結果として田淵は西武で活躍し、阪神に移った真弓明信・若菜嘉晴らも活躍して成功したトレードであったが、どうも阪神のトレードはスマートにいかないものである。 ダイエーの監督を3年しているがBクラスであった。星野監督で優勝したとき打撃コーチとして「縦しまのユニホーム」を着れたのは星野の粋な計らいであった。。一回目の結婚は不倫婚でうまく行かなかった(人のものを取ってはいけません)が、2回目はジャネット八田という素敵な奥さんでうまく行っている。ちなみに、現夫人は野球にはまったく興味がなく、この漫画で田淵の存在を初めて知り、その結果として彼女と結婚できたのであるから何が幸いになるか・・・。何事にも田淵君のように大らかにありたいものです。 入団年に頭部に死球を受け長期離脱するも22本のホームランを打って新人王になった。耳当てがついた今のヘルメットができたのも、田淵君のお蔭?です。 生涯成績: 本塁打王:1回(43本王の連続ホームラン王を阻止)新人王、正力松太郎賞:1回 生涯ホームラン474本であった。捕手失格のようなイメージがあるが入団から5年連続で盗塁阻止率5割を超えた選手は過去にも、当時にも誰もいなかった。あえて付け加えておく。 **写真、電車一両と南海へトレードと言われたが、なんとスリムなんでしょう!

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