第18話 要求を呑む

 ヘラヘラ男がやってきて、 ヘラヘラ笑いながら何ごとかをアピールしようとしている。

 頭に来てオフィスから追い出そうとするのだが、どういうものか女性陣に人気がある。

 仕方なく、用件を聞こうと するのだが何しろ相手はヘラヘラ男さっぱり要領を得ない。

 だからいったい何がお望みなんですか、どうして欲しいと言うんですかと聞いてみる。

 大したことじゃないんで、とヘラヘラ男はようやく答える。ほら学園祭の大統領にね。

 学園祭の女王というものは聞いたことがあるが、学園祭の大統領というのは一体何だ。


 ぱちん!


 その瞬間、電気が消えてみんなが騒ぎ出す。

 再び電気がついたときにはもうヘラヘラ男の姿はないし、

 学園祭の大統領になりたいなどという意味不明な要求もない。

 ヘラヘラ男に熱を上げていた女性陣は残念そうだ。

 だが、なに、代わりはすぐに来るだろう。

 わたしはマナーに反しないように

 目立たないようにそっとゲップをする。

 わたしだって好きこのんで口に合わないものを

 呑み込んでいるわけではないんだ。

 次はもう少し呑み込みやすい要求が来るといいな。


(「学園祭」ordered by kyouko-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

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