第10話 怪詩-keshi-

けしの販売けしからん

大きくペケして息巻いて

厚岸(あっけし)産の牡蛎食う客

景色を眺めて願掛けし


まるで消しゴム、跡形もなく

訪問売り物、完パケし

マラケシの寺院で巡り会う

神の化身のありがたさ


たけしに言わせりゃ化けの皮

はがしてやるさ道化師の

知らんふりして一抜けし

それこそ盗人(ぬすっと)たけだけし


ところが非難をはね除けし

気色ばんだるくわせもの

なけなしの金で無茶賭けし

あるまいことか大儲けし


噂をば耳に聞きつけし

崖下に住む老夫婦

押し売り押しのけ下町に

早駆けしたが時遅し


悔しまぎれに言い訳し

抜け駆けしたのは悪いやつ

化粧のノリも悪からん

こけしも火消しもけしのうち


(「けし」ordered by こあ-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

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