日記を書きましょう

問題。平成二十五年(二〇一三年)六月十八日、ユネスコ記憶遺産に登録された『御堂関白記』は現存する世界最古の直筆日記ですが、執筆者は誰でしょうか。




















 答えは、「藤原道長」です。

 道長は生前、関白になっていません。「御堂」の名称は、晩年の道長が法成寺無量寿院を建立して「御堂殿」や「御堂関白殿」と呼ばれたことによる後世の呼称であり、日記のタイトルも本人が付けたものではありません。

 平安末期までに三十六巻が存したとされるも、現存しているのは自筆本十四巻と古写本十二巻。

 道長は感情の起伏が激しく、よく泣き、よく怒り、よく愚痴り、恩義に対して感激の涙を流すこともあったため、日記には愚痴や仕事の言い訳も書き連ねています。

 おまけに悪筆です。

 働き詰めで、膨大な仕事をこなしていたため、ストレスも相当なものだったと想像できます。

 誰が出席しているのか、気になる人物は出席しているのか、欠席していたらどうしようなどなど、あれこれ思案していたこと、その時々で何を食べたのか、といった現代のわたしたちにも通じることも書かれています。

 道長は時の権力者であり、勇猛な人物と想像していた人もいるかも知れません。

 日記には、筆者の人となりが如実に現れるものです。

 なので、日記を書きましょう。

 誰かに見せるためではなく、自分はどういう人間なのか、ということを客観視するために書くのです。

 自分が思っている性格と違った一面が、日記から読み取れるかもしれません。

 自分を知ることは、自分の人生をよりよくする手助けにもなります。

 その日あった嬉しかったことを三つ書くだけでもいいから、はじめてみてはいかがでしょうか。

 


 

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