呼吸をしましょう

 問題。多細胞生物体が外界から酸素を取り入れ、体内で消費して二酸化炭素を放出するガス交換をなんというか?

 



















 答えは、「呼吸」です。

 一回の呼吸でおよそ500mlの空気を吸い、一日に約三万回も呼吸しています。

 現在、息を止めるギネス世界記録は、スペインのフリーダイバー、アレックス・セグラが達成した、二十四分三秒です。

 二〇一六年二月、バルセロナで開催された地中海のダイビング賞で、彼は無呼吸世界最長記録を樹立。スタティック・アプネアという競技で、呼吸を止めて水面に浮き、その時間を競うものだったそうです。


 人は平均、一分間に十五~二十回ほど呼吸しているといわれます。

 一日、約三万回です。

 ちなみに人間は鼻で呼吸しているとき、片方でしかしていません。

 鼻の穴は、一時間から二時間おきに使う鼻の穴を交代しながら呼吸をしています。




 スマホをつかっていたり落ち込んでいたりするときは、うつむいていることが多いです。

 運動不足や、長時間猫背の状態で首が前に出ている状態でいると、肺が圧迫されて横隔膜が思うように動かなくなり、呼吸が浅くなるのです。

 呼吸が浅くなると、次のような状態になりやすくなるそうです。


 イライラする

 老廃物が溜まりやすくなる

 血の巡りが悪くなる

 顔色が悪くなる

 代謝が落ち太りやすくなる

 足がむくむ

 肩こり

 悪い姿勢が染み付いてしまう

 疲れやすくなる

 歌で息が続かない

 声が小さくなる

 声がこもりやすくなる

 会話中に何を言っているか聞き取りづらい声になる


 はっきり言えば、疲れやすくなるのです。

 ではどうするか?

 腹圧を強くしましょう。


 腹部には、肝臓や胃腸などの内臓を格納する空間「腹腔」があります。

 この腹腔内部の圧力が、腹圧です。

 腹腔の上には「横隔膜」があります。

 横隔膜の上には「肺」があります。

 空気を吸って肺を膨らませることで横隔膜が下に押されます。

 すると今度は、横隔膜が腹腔を上から押していきます。

 押された腹腔は圧縮され、腹腔内の圧力が高まり、外側に力が働きます。

「横隔膜によって腹腔が圧縮され、腹圧が高まる」と、お腹は膨らんで腹囲が固くなっていきます。



 体の構造上、腹圧が弱まると、体の中心である「脊柱」と「体幹」が支えられず、体は安定しなくなってしまいます。

 脊柱には脳からの指令を体の各部に伝える中枢神経の束が通っています。

 なので、体が歪むと体の各部と中枢神経の連携が乱れます。

 歪んだ姿勢が定着すると、肩をかばって腰をつかうといった動作にも、つねに余計な負荷がかかるようになってしまうのです。

 歪んだまま日々過ごしていると、限られたエネルギーを無駄に消耗しつづけ、疲れやすい体のできあがり、となるのです。


 姿勢が悪い人、呼吸の浅い人、胸呼吸だけの人は腹圧を高めるのが難しくなっているでしょう。

 そこで、息を吸うときも吐くときもお腹を膨らませる呼吸、「腹圧呼吸」が疲労予防に役立ってくれるのです。

 とにかく、呼吸するときにお腹を膨らませることを意識してみてください。

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