第26話
「ところで聞いたけどガラガロラス討伐に行ったんだよね?」
シアに聞かれる
目が覚めた後に受付の人にでも言われたのだろう
「まぁね、勝ったよ」
「へぇ、凄いね。すごく強くもなってる」
「なんか聞こえたような気はするけどよく分からない」
魔力が集まった時何か機械音に似た声を聞いたと思ったけどよく聞き取れなかった
「……? まぁ、目が覚めたらクロル・ルシフェルが仲間になってるしなんか色々と進んでるしで置いてけぼりになった」
「それはなんとも言えないかな? 私だけのせいでもないし、冒険者ギルド支配してた人らは?」
「勿論、潰したよ。今は大人しくなってる」
笑いながら言う
……凄いなぁ〜、まぁ、貴族に臆する事なくこんなこと出来るんだから当然か
貴族たちは気絶している
「解体しに行く?」
「死体は保管してるからそのつもり、鱗が武器に使える?」
「他にも骨と心臓の中にある龍玉が使えるよ。魔力伝達力なら龍玉が一番高く骨は鱗に負けないほどの強度がある」
……成る程ね、ならその三つと他に鉱石をいくつかだね
「ほうほう、ならその辺かな? 他はどうすれば?」
「ギルドで引き取るよ。鱗や骨って全部ではないでしょ? ちゃんと相場分の金は出すからさ」
「使う分だからそんな多くなくていいかも」
大きさはそこまでないハンドガン型にしたいため素材自体は少なくていいかも知れない
「多分、ガラガロラスの素材を使う武器なんてそうそう無い貴重武器になると思うよ。一つで金貨数百」
「たしかにあそこに取り行けるのは実力者だけだもんね。……ムクロに相談しないといけないけど」
「……半分かな? それくらいあれば大抵は問題ないと思う。大きさは?」
「数十メートル、詳しい大きさはいまいち分からない」
会話をしているとギルドに着いたのでギルドに入りガルガロラスを出す
「かなり大きいね。これってやっぱりだ」
「……?」
「龍玉は渡しておくよ。後は鱗と骨だけど、解体術」
短剣を取り出してシアが綺麗に解体していく
数十分かけて解体を済ませる
骨と鱗を綺麗に取って横に置いてある
「これくらい?」
「十分だと思うというか多いかな? まぁ、ムクロに見せてくるよ。お金は後で取りに来るから」
「分かった。用意しておくよ」
「闇魔法 闇落とし」
骨と鱗が闇に飲まれていく
ギルドにいた全メンバーでガラガロラスの死体を運ぶ
ギルドを出て研究所の方へ向かう
先ほど通った時よりの賑やかになって先程の嫌な雰囲気は消えていた
「色々と売ってるなぁ〜」
1人だけ雰囲気の違う人物を見つける
フードを被っているその人物は剣を腰に付けていた
強くなった事により強い弱いが雰囲気でなんとなく分かるようになっていた
先ほどの貴族を殴った店主も中々の実力者に見えた
ただ今見える人物は別格で実力は恐らくクロルクラスの実力を持つ
……最近強いのをよく見るなぁ〜
1人の少女と一緒にいた
見た感じ仲が良く多分少女はその人物の娘か妹辺りだろう
何故顔を隠しているのか分からないが直感で何か面倒に巻き込まれる気がして真横を通り過ぎる
「…………」
「どうかしたか?」
「いえ、それよりあれが食べたいです」
「分かった。すみませんこれ2つください」
……勘付かれた? 怖いなぁ
店を見て回りゆっくりと研究所へ向かう
「魔族の襲撃だ!」
「えっ?」
城壁の方を見ると魔族が五体飛んでいた
国民は皆慌てて逃げようと城の方へ走る
……居ない
先ほどの2人が居なくなっていた
逃げたとは考えづらいため戦闘をしに行ったのだろう
『行きます?』
「私だけでいいけど結界が欲しい」
『それなら王が準備してます。後数分必要ですが』
「分かった」
私は魔族の方へ駆ける
魔族は見た限り高位は居ないように見える
家の屋根を走っているとフードを被った人物が近づいてくる
「戦うのか?」
「貴方こそ……それより先ほどの子は?」
「避難させたが多分あいつのことだとこちらに来る」
「それなら二体、二体、一体ですね。私が右から二体やりますので」
「俺が左から二体だな。分かった」
会話を終えて左右に分かれる
翼を生やして魔族まで突っ込んでいく
「闇魔法 ブラックウェポン」
長剣を作り構える
魔法を打とうとしている魔族から狙って首を切り裂きもう一体を複数作った武器で貫く
耐えて魔法を放ってくる
「炎魔法 ファイヤーブレス」
「闇魔法 ブラックシールド」
盾を作り突っ込んで心臓目掛けて突き立て上に斬る
こちらに全員が向くが一瞬で右に居た二体の首が斬られる
残り一体になり危険だと察知して逃げようとしている魔族に下の方から魔法が飛んでいく
魔族に当たり魔族を一撃で撃墜する
フードを付けた男性のいる城壁の上に降りる
「人間ではないのか? その翼は龍の……」
「この翼は訳ありでして私は吸血鬼だよ見えますよね? この銀髪」
フードから多少はみ出ている銀髪を指差す
身長差があるので上を向くとフードがずれて僅かに見える
男性は銀髪を確認して頷く
「あぁ、確認できた。闇魔法使いの吸血鬼か初めてみたな」
「私は他の吸血鬼を見た事ないからわからない。彼女は娘さん?」
「あぁ、可愛いだろ。俺の自慢の娘だ」
「可愛いですね。降りましょう。貴方の愛しい娘さんが待ってますよ」
城壁から飛び降りて地面に着地する
「……誰です? まずはこちらから名乗るのが礼儀ですね、私はルナです」
礼儀正しく自己紹介をする
歳は8歳くらいに見えるがちゃんとした教育を受けているのか礼儀を知っている
「シャルレーダと言う名を持ってる。いい名前だね」
「シャルレーダ? ええっといい名前ですね」
困りながらも名前を褒めてくる
「嘘はつかなくていいよ。これは私のつけた名前だから……私はネーミングセンスがなくて」
私は苦笑いをする
「ルナ、なんで来たんだ? 危ないと言っただろう」
「魔族が五体も居たので流石に父上1人だと厳しいかな?と思いましてですがもう1人居たので要らなかったですか?」
そう言って私の方を見る
「まぁ、私が1人でやる気だったけどその分楽できたから感謝してるよ。それよりあの魔法は?」
先ほどの魔法は見た限りどの属性にも属していないと考えている
「魔力をただ飛ばしただけです。一応私は光魔法使いですが」
「おっ、神聖じゃない方か」
「神聖術を知っているのか?」
男性の方が聞いてくるので城の方を指差して答える
「そりゃ知ってるも何もこの国の現王が神聖術使いだよ? 見たことは無いけど」
「何! 変わったのか?」
「王が殺されたからね」
何故か男性は膝から崩れ落ち落ち込んでいる
頭を撫でてルナが慰めている
……王とこの人は何かあったのかな?
私は何故落ち込んでいるのかわからず首を傾げる
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